NEWS
競技情報

【PGAシニア後援競技】シニア初優勝は完全優勝 “未来”から力をもらった54歳・今井克宗が感じた「ゴルフのミライ」

2026年11月04日
Image

PGAシニア後援競技「CKDインビテーショナル ゴルフのミライ」の最終ラウンドは、今井克宗が完全優勝を達成した。初日に66をマークして単独首位に立つと、最終日も71でまとめ通算7アンダー。最終18番でバーディを奪って猛追する横田真一に通算7アンダーで並ばれプレーオフへ。1ホール目で今井が先に5メートルのバーディパットを沈めて勝負を決めた。優勝賞金500万円を獲得。54歳でシニア入りしてから待望の初優勝。大会初代チャンピオンの座を射止めた。

だが、今井にとって今大会の価値は優勝だけではなかった。

PGAシニア後援競技として初開催された「ゴルフのミライ」は、シニアプロとアマチュア、そして次代を担うジュニア世代が同じ時間、同じ舞台を共有するこれまでにない大会。競技として真剣勝負を行いながらも、世代を超えた交流を大きなテーマに掲げていた。

Image

優勝後、大会のコンセプトでもある“未来をつなぐ”という理念について、今井は切り出した。

「最近のシニアツアーはレベルもどんどん上がっていて、フェスティバルというより本当にガチンコの勝負になっています。でもシニアのプロだからこそ伝えられることがある。アマチュアの方やジュニアの子たちに技術だけじゃなく、ゴルフとの向き合い方やコミュニケーションの大切さを伝えられる。そんな思いが込められた大会だと思います」と感じている。

実際にロッカールームでも選手たちから「こういう試合はいい」「もっと増えていくんじゃないか」という声が多く聞かれたという。前日に行われたプロアマ戦についても、「ゴルフをもっと楽しくできる新しい形」と高く評価した。

Image

なかでも今井の心を動かしたのが、同組でプレーした若い世代との貴重な時間だ。「今回はジュニアの女の子と一緒に回ったんですが、自分が教えるというより、逆に元気をもらいましたね」とシニアになった今だから感じることがある。

「年齢を重ねると、どうしても失敗を恐れるようになるんです。ゴルフはミスがつきもののスポーツですから。でも若い子たちは違う。『プロになりたい』『もっと上手くなりたい』という夢に向かって一直線なんです。その姿勢を見て、自分もこうだったなと思い出しました」。

プロが教える場でありながら、プロ自身も学び、刺激を受ける。今井は大会の真価を「僕らの未来は数えられるくらいかもしれません。でもゴルフライフはまだ続いていく。その中で彼女たちから刺激をもらいましたし、彼女たちも何か感じてくれていたらうれしいです」と感じて、笑顔で話してくれた。

Image

さらに今井は”ゴルフのミライ”経験を通じて自身の役割にも改めて気付かされたという。「これまでは自分の生活や試合で精いっぱいだった部分もありました。でもこういう大会に参加して、未来を育てる立場なんだと気付かされた。頭をガツンとやられたような感覚でした」。

優勝という結果以上に、ゴルフ界の未来を考えるきっかけを得た2日間を過ごすことができた。

表彰式後「しびれてるわ。こうして勝つことができて、本当に最高のゴルフ人生だなと思う」と勝利の歓びもひとしおだ。

Image

記念すべき第1回大会で完全優勝は、世代を超えた交流の中で見つめ直した自分の役割だった。今井はシニアプロゴルファーとして"新たな使命"と出会った特別な一週間だった。

「これからもプロアマの中でプレーを続けていくことが、ジュニアゴルファーやアマチュアゴルファー、そしてゴルフファンを増やすことにつながればいい」。

初代王者の言葉には、自身のためだけでなく、次の世代へとつながる“ゴルフのミライ”への思いがしっかりと込められていた。

Image

(左から加瀬秀樹、今井克宗、水巻善典、海老原清治)

大会に出場したベテランプロたちは、世代を超えた交流の価値をそれぞれの視点でとらえていた。

グランドシニア賞を獲得した加瀬秀樹は、「アマチュアの方や学生の皆さんと一緒にプレーし、いろいろな経験ができた。純粋に楽しくゴルフができた」と振り返った。普段の競技とは異なる中、多くの人とゴルフを通じて交流できたことを喜び、「本当に素晴らしい企画。また機会があれば参加したいし、何か協力できることがあれば喜んで力になりたい」と語った。

ゴールドシニアでトップに立った水巻善典は「スコアを争うことも大事ですが、それだけではないと思うんですね」とシニアプロの役割について切り出す。

同組のアマチュアから「参考になった」「勉強になった」と声を掛けられたことがうれしかったという。「昔の話をしたり、ゴルフが少しでも上達するヒントを伝えたり、若い世代に経験を話したりすることが、これからの僕たちの役目。役に立つ年寄りになりたいですね」と笑顔を見せた。

エージシュートを達成したレジェンドシニアの海老原清治は、ゴルフへの感謝を口にする。「1年半ほど前に体調を崩しましたが、こうしてゴルフの場に戻ると元気をもらえます」とにっこり。

77歳での快挙にも謙虚な姿勢を崩さず、「こういう大会が僕たちを支えてくれている。これからも試合やプロアマ活動に協力しながら、ゴルフ界に恩返しをしていきたい」と語った。

真剣勝負だけでなく、人をつなぎ、経験を未来へ受け継ぐことを証明した「CKDインビテーショナル ゴルフのミライ」。ベテランプロが次世代へバトンを渡そうとする熱い思いが流れていた。

Image