兵庫県のセンチュリー吉川ゴルフ倶楽部で11月1日に行われた"PGAジュニアリーグ全国決勝大会"。東日本代表「札幌Nice Buddy」と西日本代表「DIAMOND」が日本一の座をかけて激突し、7ポイントを獲得した「DIAMOND」が全国76チームの頂点に立った。
開会式では明神正嗣PGA会長が「日頃の練習の成果を十分に発揮し、チームメイトや対戦相手にも敬意を払ってスポーツマンシップを発揮してください」と選手たちを激励。練習場やパッティンググリーンで最終調整を終えたジュニアたちは、決戦のティーイングエリアへと向かった。
試合は序盤からDIAMONDが勢いを見せた。マッチ1ではスタート直後からバーディを重ねて主導権を握り、2対1で勝利。続くマッチ2ではスタートホールでイーグル、さらにパー3でバーディを奪うなど圧倒的な強さを発揮し、3対0で制した。
勝負を決定づけたのはマッチ3だった。DIAMONDはここでもスタートホールでイーグルを奪う最高の立ち上がり。4番、5番では連続バーディを決め、札幌Nice Buddyの反撃を許さない。最終ホールで札幌Nice Buddyが意地のバーディフィニッシュを見せたものの差は縮まらず、DIAMONDの全国優勝が決まった。
だが、この日の主役は勝者だけではなかった。
優勝したDIAMONDの監督はPGA会員でJGTOツアープレーヤーの大堀裕次郎。しかしレギュラーツアー「東海クラシック」出場のため会場には駆け付けることができず、姉の大堀薫さんが監督代行兼コーチとしてチームを支えた。
全国制覇の要因を問われると、大堀コーチは真っ先に選手たちを称えた。
「一人ひとりがいいところを出してくれました。距離やコースの特徴を考えながらペアリングを組み、みんなで作戦を練ることができたのが良かったです」。
飛距離のある中学生、正確性に優れる小学生や女子選手。それぞれの特徴を生かした起用が見事にはまり、日本一へとつながった。
結果以上にうれしかったのは、選手たちが目標に向かって努力する姿だったという。「みんな毎日一生懸命取り組んでいる子たちです。全国優勝するために頑張ろうと話してきたので、目標を達成できて本当にうれしいです」。
さらにチーム最大の強みとして「仲の良さ」を挙げる。「良かったことも悪かったことも言い合える関係なんです。そういう雰囲気があるからこそ、みんなで成長できています」。
全国制覇という大きな成果を残したDIAMOND。しかし大堀コーチは「ゴルフは良い時も悪い時もある。結果だけにとらわれず、これからもゴルフを楽しんでほしい」と子どもたちの未来に期待を寄せた。
DIAMONDをまとめたのはチーム最年長の13歳、椎山真帆さんだった。「今日はあまり思ったようなプレーができなかったんですけど、みんなで力を合わせて優勝できてうれしいです」と笑顔をみせたが、自身のプレーには満足していない。それでもチームの勝利を心から喜ぶ姿が印象的だった。
真帆さんにとってDIAMONDは「3年生や4年生もいて、すごくにぎやかなチームです。男の子も女の子もみんな元気で、本当に楽しいチームです」と特別な存在になっている。
ゴルフは個人競技だからこそ、チーム戦の魅力も強く感じているといい「ゴルフをやっていなかったら全国の仲間たちと出会うことはなかったと思います。みんなでプレーして、みんなに会えるのが楽しいです」と喜びをにじませた。
将来の夢は全米女子オープン制覇。憧れの選手に山下美夢有を挙げ、「コースマネジメントやプレーの組み立てをもっと勉強したい」と語る姿は、すでに世界を見据えていた。
惜しくも日本一には届かなかった札幌Nice Buddy。だが、監督の澤村英樹会員は結果以上に選手たちの成長を誇らしげに語った。
「ポイントを見れば本当に少しずつの差なんです。それなのにこれだけ点差がつくのが不思議なくらい。相手のマッチプレーが本当に強かったですね」。
東日本決勝を勝ち抜いてきたチームだけに悔しさはある。それでも澤村監督は「みんなには本当にここまで連れてきてもらいました。北海道ディビジョンが始まって4シーズン目ですが、私たちは3回全国大会に来ていますし、東日本大会も3回優勝しています。本当に誇りに思います」と感謝を伝えた。
ジュニアリーグが選手たちにもたらす成長について「チーム戦を通じて本当に成長してくれています。この経験は個人戦にも生きていると思います」と実感している。
そして最後は「勝つこともあれば負けることもあります。この経験をこれからに生かしてほしいですね。本当にみんな頑張りました」とにっこり笑顔で締めくくった。
全国制覇を成し遂げたDIAMOND。あと一歩届かなかった札幌Nice Buddy。結果は対照的だったが、両チームのジュニアたちが仲間とともに喜びや悔しさを分かち合い、人としてもプレーヤーとしても成長したことに変わりはない。PGAジュニアリーグが育んでいるのは、未来のトッププレーヤーだけではなく、ゴルフを心から楽しむ次世代の仲間たちが手をつないだ。