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【TCPグランドシニア/FR】「グランドルーキーだから早いうちに勝ちたかった」 奥田新一郎、23年越しの歓喜 ティーチングプログランドシニア日本一に

2026年10月30日
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「グランドシニアは今年が初参加だったので、できれば早いうちに勝ちたいという気持ちはありました。その願いが叶って、本当にうれしいです」。

優勝インタビューで語った奥田新一郎(60・B級/オピニオンゴルフアカデミー)は、長年ゴルフと真摯に向き合い続けてきた者だけが見せる充実感をにじませた。

「第15回PGAティーチングプログランドシニア選手権大会」最終日。首位と3打差の6位タイからスタートした奥田は、出場選手で唯一となる60台の68をマーク。通算4アンダーで逆転優勝を飾り、グランドシニアデビューイヤーで日本一のタイトルを手にした。

しかし、その戦いぶりは決して力みのないものだった。

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「優勝スコアは5アンダーくらいになるかなと思っていました。自分も4つか5つ伸ばせればという気持ちはありましたけど、そんなに簡単に出るスコアじゃない。だから気楽にいこうと思っていました」。

前半からボギーなしの3つのバーディ。一気に優勝争いへ加わった。「最近パターを替えてからラインがよく見えるようになったんです。ショットは正直、昨日も今日もあまりピンに絡んでいませんでした。でも長いバーディパットが入ってくれましたし、短いチャンスもしっかり決めることができました」とパッティングへの手応えがあったという。

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一方で優勝へのプレッシャーは意外なほど感じていなかったという。

「前のシニアの試合では前半良くても後半崩れた経験があったので、今回はほかの選手のスコアをあまり気にしないようにしていました。正直、優勝はほとんど意識していませんでしたね」。奥田は自然体でスコアを積み重ねられ、その結果が”優勝”の二文字につなげることができた。

今回の優勝を価値あるものにしているのは、奥田が歩んできたゴルフ人生にある。

22歳で船橋カントリークラブの研修生となり、プロゴルファーへの道を志した。最終プロテストには5度進出。しかし何度も挑戦を重ねながら、合格には届かなかった。

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悔しさはあった。それでもゴルフを諦めることはなかった。研修生5年目でティーチングプロ資格を進められ受験。座学や実技を重ね、29歳でPGAに入会。競技と指導の両立を目指しながら経験を積み重ねていった。

入会してから8年後の2003年、第5回PGAティーチングプロ選手権で優勝。当時、三上輝道とのプレーオフの末につかんだタイトルになった。「プレーオフ2ホール目でバーディを取って勝ったんです。その年から優勝賞金が100万円になって、すごくしびれましたね」と回顧する。

あれから23年の月日が経つ。船橋カントリークラブに隣接する「リトルグリーンヴァレー船橋」でのレッスン活動を経て、池袋のインドアスタジオ、成田ヒルズカントリークラブと活動の場を広げていく。そのあとに8年在籍したPGM総成ゴルフクラブでは営業やフロント、プロショップ業務だけでなくレストランスタッフまで経験をさせてもらったという。

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「今思えば全部勉強でした。いろいろな仕事を経て、お客様とさまざまな話ができるようになりました。今ではその経験がすべて生きています」と目を輝かせる。

現在は千葉県成田市のダイナミックゴルフ成田内にある「オピニオンゴルフアカデミー」を運営。施設内の2打席を活用してトラックマンによるレッスンを展開している。今年で3年目を迎えた。

「本当に感謝しています。優勝したことでお世話になった方々に良い報告ができますし、特に私のサポートしていただいている三友の船木社長には感謝の気持ちでいっぱいです」。ゴルフから得られた学びは終わりがない。だからこそ、人とのつながりはゴルフと同じくらい大事に思っている。

ティーチングプロという職業について、今年で31年目。日々のレッスンの中で特に大切にしていることを聞くと「基本に忠実」であることだという。

「今はYouTubeなどでいろいろな情報がありますが、勘違いしてしまう方もいます。トラックマンを使うと数値で自分の癖が分かるので、お客様にも納得していただきやすい。これからも基本を大切にしながら指導していきたいです」。

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競技者として戦い続ける理由も持ち合わせている。「レッスンをする以上、自分自身も技術力を磨かなければいけません。生徒さんのお手本になれるよう、これからも挑戦を続けていきたいと思います」としっかりと前を見据えていた。

グランドシニアの世界へ足を踏み入れたばかりの奥田は、今回の優勝で多くの仲間たちから祝福を受けた。2位に入った渡邊達からは「グランドカテゴリーで出場しちゃだめだよ」と冗談交じりに声を掛けられて照れ笑い。そんな仲間たちとの再会や交流も、奥田にとっては大きな喜びだ。

「タイトルを取ることで名前を覚えてもらえるし、仲間も増える。先輩方にも可愛がってもらえる。それがすごくうれしいんです」。

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23年前、ティーチングプロ選手権を制した男は、60歳で再び全国タイトルを手にした。しかし奥田の挑戦は終わらない。

「今いるお客様を大切にしながら、新しいお客様にもゴルフの楽しさを伝えていきたい。そしてゴルフ界全体をもっと盛り上げていけたらと思っています」。

ティーチングプロとして2つの優勝は単なる復活ではない。プロテストへの挑戦、レッスン活動、ゴルフ場運営の経験、人との出会い。そのすべてを糧に歩み続けてきた人生の結晶だった。グランドシニア王者となった奥田新一郎は、これからもプレーヤーとして、そして指導者として、ゴルフの魅力を伝え続けていく。

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