70歳・伊藤正己(TP-A)が「第6回 PGAティーチングプロゴールドシニア選手権」で大会連覇を達成した。
2022年のティーチングプロシニア選手権優勝をはじめ、ティーチングプログランドシニア選手権では2016年、2017年、2022年の3度の優勝を誇る実力者。さらに昨年は日本プロゴルフゴールドシニア選手権も制覇しており、長年にわたりシニア・グランドシニアカテゴリーの第一線で活躍を続けている。
最終ラウンドは7バーディー、3ボギー。持ち前の攻撃的なゴルフで4つスコアを伸ばした。とはいえ内容は決して順風満帆ではなかった。
「前半はピン位置がすごく難しかった。調子に乗って攻めたら危ない場所だったので、後半は堅実に運びましたね」と2日間を振り返っても、自身のプレーに満点を与えることはない。
「悪くはないんですけど、時々異様な球が出るんですわ。引っかけたり、ふかしたり。あれがなくなればもう少し自信があるんやけどね」と首をひねる。
伊藤は腰の痛みを抱えながらのプレーだったが、それでも白熱する優勝争いを制することができた。
「コースが短かったのが幸いでした。だからバーディも取れたし、スコアにつながりましたね」と勝負どころではパターも光らせた。「毎日、こんなゴルフならいいけどなぁ」、後半のラウンドは3バーディ・ボギーフリーということもあり、気分も上々だ。
現在は若い頃のようなハードなトレーニングは控えているという。ウォーキングやプールで身体を動かしながら状態を維持しているが、「最近はちょっとサボり気味」と笑う。それでも長年積み重ねてきた土台が、70歳を目前にしてなお高い競技力を支えている。
普段は岐阜県にある明智ゴルフ倶楽部を拠点にレッスン活動を行う。開場間もない頃から在籍し、数えれば今年で47年目。クラブでは誰よりも長いキャリアを誇る。
「メンバーさんのおかげでここまでやってこれました。本当に感謝です。『今日は叩いたな』なんて声を掛けてもらうだけでもうれしいですし、今回も喜んでもらえると思います」。
そんな所属コースでのレッスンについては「人それぞれですよ」と自然体で向き合う。「教えたことがぴったりハマる人もいれば、そうじゃない人もいる。でもたくさんの方に通っていただいていますからね」と、ひとたびゴルフ場に帰れば、伊藤には大勢のレッスン生が待っているのだ。
今後について尋ねられると、ティーチングプロらしい飾らない言葉が返ってきた。「毎年毎年、一つずつクリアしていくだけです。あとは体次第ですね」と口元を引き締める。
現在もレギュラーツアー出場を懸けた予選会への挑戦を続けている。「もう若い選手ばかりですし、そろそろやめた方がいいかなと思うこともあります。でも、まだ諦められないんですわ」。
そんな伊藤は、ゴルフに出会ってから、休むことなくゴルフを続けている。「辞めたことがないので、辞め時も分からないんですよ。予選会に落ちたら、その時は引退かもしれないけどね」とにやり笑みを浮かべたが、その表情からはまだ競技への情熱が消えていないことが伝わってくる。
ティーチングプロシニア、グランドシニア、ゴールドシニアと数々のタイトルを積み重ねてきた伊藤。明智ゴルフ倶楽部とともに歩んできたゴルフ人生は、これからも続いていく。挑戦者としての歩みは、まだ終わりそうにない。