「第10回福岡シニアオープンゴルフトーナメント」の最終ラウンドは、未明から降り続いた雨によるコースコンディション、そして天候の回復が見込まれないために競技中止という判断となり、第1ラウンドで8アンダー64をマークして単独首位に立っていたタマヌーン・スリロット(タイ・57歳)が、そのまま大会初優勝を果たした。
スーパーシニアの部は74ストロークで回った青木基正が2019年、2023年に続く3度目の優勝を飾った。優勝賞金50万円が大会実行委員会より贈られた。
スリロットは先週のファンケルクラシック優勝に続き、2週連続優勝。シニア通算5勝目を挙げ、賞金ランキングは6位から4位に浮上。今季のシニアツアーは残り3戦となり、スリロットと賞金ランキングトップを快走する宮本勝昌とは約773万円差で、賞金王争いも白熱しそうだ。
スリロットには、優勝賞金700万円と優勝副賞としてアサヒドライゼロ半年分が贈られた。また第1ラウンドでは倉本昌弘と、スーパーシニアの部で鷹巣南雄、青木基正の3名がエージシュートを達成し、エージシュート賞が贈られた。また田代寿博さんが71ストロークでベストアマチュア賞を獲得した。
優勝を大きく引き寄せたのは終盤の2ホールだった。天候悪化が予想される中で迎えた初日の17番、18番。スリロットは最後まで攻めの姿勢を貫いた。
「台風が近づいていて最終日ができるかどうかわからない状態だったので、17番、18番とバーディを取ろうという気持ちがありました。18番でバーディが取れた時は本当にうれしかったです」。自然とガッツポーズも見せてくれていた。
スリロットは今季安定した戦いを続けている。ファンケルクラシックから4ラウンド連続でノーボギーも強さの証明だ。要因については、「まずティーショットがフェアウェイに行く確率が増えていることですね。それが今の好調の原因だと思います」と分析。ショットの安定感が好成績につながってきた。
4度目の出場となった福岡シニアオープンで、コースの好印象を口にする。「特にいいと思うのはフェアウェイのコンディションが素晴らしいので、セカンドショットがとても打ちやすいですね」。気持ちの良いプレーが、ショットからパッティングまでスムーズな一連の流れを生み出しているのである。
今回の優勝は、同じタイ出身で大会3勝を誇るプラヤド・マークセンに続くタイトルでもある。スリロットにとってマークセンは憧れであり、目標とする存在だ。「マークセンさんは60歳になっても飛距離が出ますし、本当に強い存在ですが、自分も優勝することで(ゴルフの腕は)少し追いつける立場になったのかなという気持ちです」。
スリロットは語りながらも、「でも、自分が60歳になった時にマークセンさんと同じように強い選手でいられるかはわからないです」と率直な思いものぞかせた。
その上で、「60歳までマークセンさんのように強くいるためには、大好きなゴルフの試合に出続けることだと思います」と言葉に力を込めた。
(写真・大会10周年記念企画「ピンフラッグデザインコンテスト」の優秀作品4点は、9番、16番」、17番、18番のピンフラッグとして使用されていました)
今後は台湾シニアツアーで3連覇のかかる大会に出場。その後もタイ国内でレジェンド選手のブーンチュ・ルアンキットが主催する大会やプーケットでの試合が控える。もちろん日本ツアーへの思いも強い。
「まずは次のプロシニアで優勝することが目標です。そして賞金ランキングで上位に入り、また海外シニアメジャーに挑戦したい。今年は海外シニアでもいい成績を残せましたし、家族と一緒に海外へ行けたことは思い出になっています」と家族を大切にするスリロットが、人生の時間を共に過ごせるのも海外試合のだいご味だ。
スリロットが今年参戦した全米プロシニアでは、最終日最終組でプレーする機会が巡ってきたがスコアを伸ばせず12位タイで大会を終えた。それでも全米シニアオープン57位、ISPS Handa全英シニアオープンでは62位と、3つのメジャーすべてで予選通過を果たしているので、来年も自分の実力を確かめる絶好の機会を掴みたいところ。
日本シニアツアーは残り3戦。シーズン終盤に向けて優勝争い、そして賞金ランキング争いがさらに熱を帯びる中、勢いに乗るスリロットの戦いから目が離せない。2週連続優勝を果たしたタイの実力者は、さらなるタイトル獲得と海外メジャー再挑戦を見据え、次の戦いへ向かう。