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【TCP選手権/FR】石毛巧が圧勝 記録を塗り替えた先に見えた“成長” 台湾ツアーで得た経験を武器にティーチングプロ日本一

2026年10月21日
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「第28回PGAティーチングプロ選手権大会 新宝塚カントリークラブカップ2026」レギュラーの部は、初日に大会ベストスコアの10アンダー62をマークした石毛巧が、そのまま首位を守り切り、通算13アンダーで初優勝を飾った。

ホールアウト直後、仲間たちから豪快なウォーターシャワーで祝福を受けた石毛。その笑顔には安堵と達成感が入り混じっていた。

「コースコンディションも本当に素晴らかったですし、その中で自分の実力以上のものを出し切れたんじゃないかなと思います。2日目は風も強くなりましたけど、いい形で2日間プレーできました」と笑顔で振り返った。

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優勝を決定づけたのは、誰もが驚いた初日の「62」だった。2024年に大滝一紀が記録した「63」を1打更新する大会新記録。だが、そのラウンドは最初からアクセル全開だったわけではないという。

「2日競技ですし、最初から攻め倒そうという感じではなかったんです。丁寧に様子を見ながらプレーしていたら、バーディがぽろぽろ来てくれて。気づいたらスコアが伸びていて、途中からは『どこまで行けるんだろう』という感覚でした」。そして同組選手たちもその快進撃に驚きながら盛り上げた。

「周りの選手からも『どこまで行くの?』なんて言われながら回っていました」と不思議な感覚のラウンドだった。

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ところが迎えた最終ラウンドは強風予報。誰もが石毛優位を認める状況だったが、本人の胸中は決して穏やかではなかった。

「2位との差もありましたし、周りからは『そのままやれば勝てるでしょう』なんて言われました。でも、そう言われるほど勝たなければいけないプレッシャーも大きかったです。とにかくスコアを落としたくないという気持ちでした」と振り返る。

前半は3番から3連続バーディを重ねたが、7,8番で連続ボギーにして1つスコアを伸ばすにとどまる。後半は11,12番で連続バーディを仕留めるも、16番で1つスコアを落としてしまう。それでもひとり二桁アンダーをキープしながら、難しい風向きの変化を確認しつつ、慎重にプレーを進めていくことができた。

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最終18番では風を読み切れずグリーンを外したものの、難しいパーパットを沈めてガッツポーズ。ようやく安堵の表情が浮かんだ。

「絶対にボギーで終わりたくなかった。覚悟を持って打てたことが良かったと思います」。ようやく嬉しさをかみしめられた瞬間だった。

優勝を掴んだ原動力として石毛が挙げたのが、今季挑戦を続けている台湾ツアーでの経験だ。1月にQTを突破し、2026年は台湾を主戦場として各地を転戦。日本とは異なる気候やコースコンディションの中で多くの実戦経験を積んできた。

「台湾は風も強いですし、グリーン周りも日本よりラフで荒れていることが多い。そこでゴルフの考え方が少し変わりました。細かく考えすぎず、もっとアバウトにゴルフを捉えられるようになったことが今回の優勝につながったと思います」。

強風下で行われた最終日の冷静なマネジメントには、その経験則を活かすことができていた。

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そして石毛にとってこの大会は、特別な舞台でもあった。

「4年前に初出場時は、本当にコースコンディションにコテンパンにやられました」と悔しさが残った。その時の挫折感を忘れず競技を続け、今年同じコースで優勝という最高の成績を出すことができたのである。

「4年前の自分から考えたらすごく成長できたと思います。でも、まだまだです。自分には伸びしろしかないと思っています」と浮かれることはない。

競技者として成長を続ける一方で、ティーチングプロとしても高い評価を受ける石毛。スポーツ科学を学んだ早稲田大学時代からコーチングを専門的に学んでいたこともあり、プロテスト合格後にはティーチングプロB級資格獲得を目指して、レッスン論を受講した。

「今はYouTubeなどで情報があふれていて、お客様が迷ってしまうことも多いんです。だからこそ、できるだけシンプルにゴルフを考えてもらうことを大切にしています。楽しくゴルフを続けてもらうのが一番ですから」と大事にしていることがある。

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今年は実弟の石毛誠もティーチングプロB級資格を取得した。ジュニアゴルファーとして切磋琢磨してきた兄弟が、今度は指導者として同じ道を歩み始めている。兄は「ゴルフを教えるなら資格を持っていた方がいい。教える技術もしっかり学べる」と背中を押したという。

「弟もレッスンの仕事に携わるようになりました。ジュニアから一緒にやってきた仲間ですし、ゴルフの知識を生かして今後もお互いに刺激を受けながら頑張っていければ」と優しい兄の顔になった。

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優勝により、2027年日本プロゴルフ選手権大会の出場権も獲得。「ティーチングプロ選手権優勝者で、日本プロの予選を通過した選手はまだいないと聞いています。だから自分がその第1号になりたい。そのためにもっと成長していきたいです」と前だけを向く。

さらに11月には台湾ツアー最終戦、そしてQTセカンドステージも控える。「ファイナルまで進んで、来年はもっと上のステージでプレーしたいと思っています」。この上昇気流に乗り、自分のレベルを上げていきたい思いが募る。

大会新記録、自己ベスト更新、そして初優勝。だが石毛巧は、満点評価を自らに与えない。

「今日のゴルフですか? 50点くらいですね。ボギーもありましたし、まだ改善するところがたくさんありますから」と優勝後も冷静だ。その自己分析ができるのも、台湾で得た経験、指導者としての知識があってこそ。反省と改良がゴルフ人生を前進させてくれるのだ。

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そして支えてくれる仲間の存在も、ゴルフを続ける糧になっている。ディフェンディングチャンピオンの高橋慧は率先してウォーターシャワーのリーダー役を買った。「プロになってから一緒にゴルフをやってて。優勝、嬉しいですよね。水かけも気持ちいいいです。もう、褒めるしかない」と仲間の優勝を喜んだ。石毛もたっぷりと愛のある水を全身で受け止めた。

そのすべてを力に変え、石毛巧は次なる舞台へ突き進むことを誓った。

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