「第28回PGAティーチングプロ選手権大会 新宝塚カントリークラブカップ2026」が10月20日、21日の2日間、兵庫県・新宝塚カントリークラブ(6,714ヤード・パー72)で開催される。120名が出場し、“ティーチングプロ日本一”の称号を懸けた熱戦が繰り広げられる。最終日はインターネット中継「ALBA.TV」で放送予定。
舞台となる新宝塚カントリークラブは2022年、2023年大会でも使用された戦略性の高いコース。レッスン活動を主とする会員たちにとって、日頃磨き上げた技術とコースマネジメント能力を競う最高峰の選手権として位置づけられている。
一方で、本戦出場を目指した全国3会場の2次予選を勝ち抜いてきた新鋭たちにも期待が集まる。各地区のトップ通過者をはじめ、勢いに乗る選手たちが歴代王者に挑戦する姿は、今年の大会も最後まで混戦になることが予想される。
今年の注目は、歴代チャンピオン6人が名を連ねる豪華な顔ぶれだ。
前年覇者・高橋慧は昨年のPGAティーチングプロ選手権を制し、王者として新宝塚カントリークラブに戻ってきた。この日は地元・茨城で活動をともにする小澤一馬、日下淳との練習日だった。同級生やゴルフ仲間に囲まれた空気感もあり、冗談が飛び交いリラックスしていた様子。
一方で、競技への思いは変わらない。今年の日本プロでは予選通過を果たせず、「悔しかったですね。あの悔しさをバネにして、また予選を通れるようになりたい」と語る。競技から離れていたわけではなく、「練習は結構しています」ときっぱり。連覇へ向けた準備は着実に進めている。
コースについては「短いホールが多いのでショートゲーム勝負になると思う」と分析。「6番、7番あたりは難しいですが、それ以外はターゲットを決めて刻むところは刻みたい。3パットに気を付けたいですね」と冷静に攻略のポイントを挙げた。
練習ラウンドでは、ドラコン級の飛距離を誇る小澤の豪快なショットに笑いながらも、「仲間に支えられています」と感謝を口にする髙橋。周囲からは「水をかける準備をしておけ」と早くも優勝祝いの話題が飛び出した。
競技への変わらぬ向上心。一方で「ゴルフ場でレッスンしている以外は、グルメを楽しんでますよ」とにやり。“グルメ・インフルエンサー”としての顔を持つ高橋は、日本各地の食訪を楽しみにしている。仲間たちの期待を背に、高橋が大会連覇という大きな目標へ挑むことになる。
なかでも新宝塚カントリークラブで優勝経験を持つのは、2022年王者の小西勇輝。同コースとの相性の良さは折り紙付きであり、再び優勝争いに加わる可能性は十分にある。
そんな小西だが、コース攻略に特別な準備をするタイプではない。「僕はコースメモを買わないんです。スコアカードに必要なことを書き込むくらい。今、目の前で起きている状況にどれだけ対応できるかが大事だと思っています」とコース既存のカードには情報が並んでいる。
さらにグリーン上でも「とにかく自分の直感が大事」と語り、長年培ってきた感覚を信頼する姿勢を貫いている。
現在は千葉・船橋エリアを拠点に、競技志向のアマチュアゴルファーを中心に指導を行っている。「クラブ選手権の時期なので、生徒さんたちも頑張っています。自分もいい報告をしたいし、お客さんの結果も楽しみ。みんなと一緒に戦っている感覚ですね」とティーチングプロとしての一面をのぞかせた。
昨年王者の髙橋慧が注目を集める一方で、小西自身もティーチングプロ資格取得後、2年目で優勝を果たした実力者。4年ぶりの練習だったが「久々に回って、クラブの番手が3つぐらい違うなあって感じるホールもあって、月日の流れも変わりますね」と苦笑い。
それでも小西は信頼を寄せているマスダゴルフのパターを武器に、堂々と戦うつもりだ。「(マスダゴルフ)社長のところで拝借しました」とお気に入りの様子。パッティングの精度をあげて挑む小西が、再び新宝塚のグリーンで存在感を示すことができるか。4年ぶりの優勝へ向けた挑戦が始まる。
2024年のPGAティーチングプロ選手権を制した大瀧一紀が、再び日本プロ出場を目指して戦いに挑む。
一方で、今週は万全とは言えない状態だ。2週間ほど前から肘を痛め、練習も十分には積めなかったという。それでも「どうやったら痛くなく打てるか考えながらやっています」と前向きな姿勢を崩さない。
コースについては、3年前の出場時との違いを感じている「以前よりグリーンは少しおとなしい印象です。それでも速いところは速い。『こんなに切れるんだ』『意外と切れないんだ』という発見もありました」と話す。
無理に攻めるのではなく、今週のテーマは“省エネゴルフ”。「気合いを入れすぎても良いことはないので、静かにいきます」と笑う表情には、王者ならではの余裕ものぞかせた。
大瀧は福島県いわき市にある会員制インドアゴルフスタジオ「Golf Studio TRINITY(ゴルフスタジオ・トリニティ)」でレッスン活動を行い、スイングそのものよりも身体の動きに着目した独自の指導を展開しているという。
「まずは体の状態を見ます。関節や胸郭の動きなどを確認して、足りない部分があればドリルで動けるようにしてからスイングに入ります」とレッスン方針もオリジナルだ。さらに近年はサブスクリプション型のレッスンなど新たな取り組みにも挑戦中だ。
今年は福島県プロゴルフ会の事務局業務をほぼ一人で担当し、7月に開催した福島県オープンゴルフ選手権の大会運営や選手対応、スポンサーとの調整まで幅広い業務をこなしたという。「事務局の大変さが本当によく分かりました。今は運営してくれる方々への感謝しかありません」とレッスン以外の活動も精力的に取り組んでいる。
選手や大会運営という経験を重ねた大瀧が再び頂点に立てば、その優勝の重みは昨年以上のものになるはずだ。多彩な顔を持つ大瀧の挑戦に注目が集まる。