レギュラーツアー通算3勝、50歳の小林正則は、今年からシニアツアーに参戦している。主催するファンケルには、甥の耕太(こうた)さんが勤めているという縁もある今大会。ルーキーイヤーでの初優勝を目指し、首位と6打差のトータル9アンダー・2位タイで最終日を迎える。
今季はここまで10試合に出場し、トップ10入りは3回。「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」でも優勝争いを演じたが、惜しくも2位に終わった。あと一歩で届かなかった優勝をつかむため、「本当のビッグスコアを出さないといけない」と闘志を燃やした。
初日は「68」をマーク。ホールアウト後には「アイアンの距離感もいいですし、ラインも出ている。3パットもあったけど、パッティングも悪くない。コースも好きです」と、ショットやパッティングの状態に手応えを口にしていた。
その好調ぶりは2日目も続いた。ショット、パッティングともに状態の良さを維持し、最終18番までボギーなし。6つのバーディを奪い、着実にスコアを伸ばした。
「途中まではよかったんだけどね…」。悔やまれるのは、最終18番パー5で喫したボギーだ。2オンも狙えるホールだけに、バーディで締めくくり、少しでも首位との差を縮めたいところだった。
そこで「本当の自分が出た」。それまで比較的安定していたティショット。後半にはドライバーが右へ飛ぶ場面もあり、18番のティイングエリアでは右のOBを警戒。その意識が強くなりすぎた結果、「(ダウンスイングで)引っ張ってしまった」と、左へ曲げてしまった。
2打目はレイアップを選択。木があるうえ、正面にはマウンドもあり、低すぎても高すぎてもいけない難しい状況だった。打ち出し自体はうまくいったものの、思いもよらない「その先の高い木に当たってしまって」という事態に。ボールは左のラフに止まる。220ヤードを残した4打目は4番アイアンでグリーンを捉え、ピン左下4メートルにつけたが、ファーストパットはカップまで15センチ届かず。最後にスコアを1つ落とす結果となった。
「最後以外は100点あげてもいい。その最後(18番)がマイナス20点ぐらいになってしまうけどね。でも最終日ではなくてまだ良かったかな。1回仕切り直して、差はあるけど、頑張ろうって思えている」。最終ホールのミスには悔しさをにじませたものの、気持ちはすでに前を向いている。最終日を前に一度仕切り直し、逆転を目指す。
小林はこれまで、レギュラーツアーで3度の優勝を経験している。初タイトルは2011年の「とおとうみ浜松オープン」。3打差の2位タイから最終日を迎え、「65」をマークして石川遼と首位に並び、プレーオフを制した。翌2012年の「アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン」では6打差を逆転。2013年の「日本オープン」でも3打差をひっくり返して頂点に立った。
いずれも追う立場からつかんだ勝利だ。「あまり追われたことがないから、どっちかといったら追うほうが楽というか、自分のプレーに集中できて、合っている。追われるというのは、たぶん好きじゃない」。
最終日は、これまでの勝ちパターンと同じく、追う立場からスタートする。6打差の逆転優勝も経験しているだけに、最後まで攻める姿勢を貫く。「本当に行くしかない。ガンガン、バーディを取っていきたい」。目指すは、シニアツアーでのルーキーV。第二のゴルフ人生の幕開けを、自らの手で初優勝という形にしたい。