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シニアツアー

【ファンケルクラシック/2R】女子プロ参戦で シニアツアーが得るメリット “ゴルフのミライ”を考える桑原克典の想い

2026年10月17日
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昨年に続き、30歳以上45歳未満の女子プロによる「LADYGO CUP」出場選手による「女子エキシビジョンマッチ」が今年も開催された。対象の女子プロ6人が参戦。昨年は女子プロだけで組が構成されていたが、今年の第1ラウンドはシニアプロの組に女子プロが1人ずつ加わる形式で行われた。

今大会に初出場した国内女子ツアー通算13勝の成田美寿々(34歳)と同組でプレーしたのは、レギュラーツアー通算2勝の桑原克典だ。

桑原は、11月3日から2日間の日程で開催される後援競技「CKDインビテーショナル ゴルフのミライ」でアドバイザーを務めている。同大会は、シニアプロ、アマチュアゴルファー、ジュニアゴルファーが一緒に競うイベント。今回のように、普段は異なる舞台で戦うプロ同士が交流する機会は、大会の開催に向けても手応えを得る一つのきっかけとなった。

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今回参加した女子プロは、国内ツアー通算14勝の有村智恵(38歳)や通算2勝の原江里菜(38歳)など、長くゴルフ界で活躍してきた選手たちだ。桑原は彼女たちを「ゴルフ界のことまで考えられる年代」と表現する。スタート時やホールアウト後にファンへ丁寧に対応する姿など、ゴルフ界の盛り上げに貢献する姿が印象的だった。

彼女たちを目当てに会場を訪れるファンも多く、桑原の組には成田のファンである“成田一族”の姿もあった。なかには、シニアツアーを初めて観戦したというギャラリーもいた。桑原は、普段はシニアツアーに足を運ばないファンの前でプレーできることを、シニアツアーにとってのチャンスの一つと捉えている。

「僕らが知らないファン層がいる。そういう人たちがシニアに来て、シニアもなかなか面白いと思ってもらえたらうれしい。男子と女子という壁ではなくて、ゴルフのトーナメントとして、手を携えて、この機会を盛り上げる方向に行けたらいいなと思っています」。女子プロとの共演は、シニアツアーの魅力を新たなファンに伝える機会にもなったに違いない。

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桑原がシニアツアー入りしてから意識している自身の見せ方がある。それは、「老いを見せること」だ。「いいゴルフも見せないといけないけど、“人間ってこうなりますよ”というのを甘んじて」。そう続ける。これまで「ゴルフ界で生活させてきてもらった身」だからこそ、ゴルフ界に対して伝えたいことがある。

「老いがあるなかで、このような工夫をしたら、こんなことができる。こういう楽しみ方、こういうスキルアップもある。そういうのも見据えていかなきゃいけない」。年齢を重ねることによる変化を隠すのではなく、そのなかでできることや楽しみ方を示す。それによって、同世代の人たちに少しでも勇気を与えたいと願っている。

こうした姿をプレーを通じて見せ、伝えていくことを、プロゴルファー人生における「最後の務め」と自負する。「変な球を打ったりすることはあるけど、でも、それは見せなきゃいけない」。そう話す桑原は、同じシニアプロの姿にも心を動かされている。

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そのなかでも、国内ツアー通算10勝の田中秀道を挙げた。「(田中)秀道くんとか、すごく苦しいかと思うんだけど、でも、ああいうのを見ると、めちゃくちゃ感動する。人間ってこうもなるんだけど、こんな年でこうなった人が、こうなるんだ。みたいなの、すごく感動する。奇麗なものは、レギュラーツアーとかで見ていただいて、(シニアでは)珍プレーなり、老いなり、歩くスピード落ちたり、背中が丸まってきているだったり。でもそのなかでも楽しくやるんだ、こんなこともできるんだ――みたいなものを届けたい」。

田中は米ツアーに参戦していた2006年にドライバーイップスを発症。翌年、日本ツアーに復帰しても、苦しい時期が続いた。そしてさまざま試行錯誤を重ねた約20年後の昨年に復調の兆しが見えてきた。年齢を重ねたからこそ見せられる姿があり、そこにこそシニアツアーならではの価値がある。桑原はそんな思いを胸に、「CKDインビテーショナル ゴルフのミライ」の立ち上げにも協力してきた。

同大会はシニアプロ、アマチュアゴルファー、ジュニアゴルファーが一緒にラウンドする機会として、これまで3回にわたってプロアマ形式で開催されてきた。そして4回目となる今年、地元・愛知から発信する競技へと歩みを進めた。

大会に込めた思いについて、桑原はこう語る。

「(当時は)みんな仕事が大変な時期だったと思う。子どももいて憧れでしかいなかった人もいると思う。子どもが大きくなり、仕事も落ち着いて、気づいた時には試合とか出られないとか、可哀そうじゃないですか。じゃあ、“もう1度、青春を取り戻しませんか?”と。あの頃に憧れた人たちと一緒に、もう1回練習して、もう1回ゴルフに花咲かせませんか、と。1年に1回でいいから、そういう舞台があるという。1年、それを目標に練習するとか、どこかのメンバーになるとか。若い時にはできなかったことを楽しんでほしい。若い子たちの未来でもあり、ゴルフ界の未来になってほしいなという、メッセージ性のある試合です」。

かつて男子ゴルフが盛り上がった時代を走ってきたレジェンドたちと、そのプレーに憧れていたアマチュアゴルファーが再び同じ舞台に立つ。仕事や子育てに追われ、若い頃にはかなわなかった夢を、もう一度ゴルフを通じて楽しんでもらいたい。そんな桑原の思いをさまざまな企業に伝え続けた結果、協賛企業の賛同も得て、大会の実現につながった。

今回、女子プロとともにラウンドした時間も、ゴルフ界の未来を見据えた桑原にとって、大会開催に向けた収穫の一つとなった。