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シニアツアー

【佐世保シニア/FR】「今年はもうダメかな…」 極度の不調に陥った藤田寛之が3年ぶり“奇跡のV”「びっくりですよ」

2026年10月11日
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首位と4打差の6位から出た藤田寛之(57)が、8バーディ・1ボギーの「65」で回り、通算10アンダーまで伸ばしてI・J・ジャン、プラヤド・マークセンとのプレーオフに突入。1ホール目にジャンが脱落すると、2ホール目でバーディを奪った藤田に軍配。今季初、シニア通算4勝目を挙げた。

2023年の「日本シニアオープン」以来、3年ぶりに優勝カップを掲げた。「びっくりですよ。18番を終えるまで優勝なんて考えていなかったので…」と自身でも驚きの幕切れだった。

首位のジャンとの差は4打。それ以上に自身のショットの不調さが逆転Vへ期待を持てなかった。「ビッグスコアを出せる気配がないです」といいながらコースに飛び出していったほどだ。

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今季は序盤戦で3位に入る試合もあったが、5月以降、自身の悪癖のフェースが開く動きが修正できずにいた。佐世保入りしたときも「バーディチャンスにつかないからバーディが取れない」とぼやくほど。唯一の希望は、レギュラーツアーのような硬く締まったグリーンだった。レギュラー時代から屈指のパット巧者の藤田にとって水を得た魚のように「好きなグリーン。素直に転がってくれる」と、イメージとタッチが合いやすいと目を輝かせていた。そのグリーンが奇跡の逆転劇を生むことになる。

最終日は少しでもいい順位で上がることが目標だった。1番、2番と幸先よくバーディで伸ばす。5番はボギーで後退したが、7番、9番と3つ伸ばして折り返す。首位のジャンも前半3つ伸ばしていたため、その差は縮まらない。

初日からボギーを叩かないジャンの逃げ切りかと思われた後半、まずマークセンが怒涛のバーディラッシュを見せて通算10アンダーでホールアウト。思いのほかバーディが取れている藤田は、「通算10アンダーで2位タイには入れたら最高」という気持ちで、上がり3連続バーディを奪って、通算10アンダーでホールアウトした。

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この時点でジャンは通算11アンダー。「上がり2ホールでボギーは打たないだろう」と片づけの準備をしようとしていたところに、17番でジャンがボギーを叩いた知らせが届いた。

最終18番パー5もパーで終わりプレーオフが決まった。打ち下ろしで572ヤードに設定されたパー5。プレーオフを戦うマークセンは、2打目でグリーン近くまで運べる。「マークセンの方がバーディを取れる確率は高い。自分はバーディを取り続けられないから不利だ」と思っていたが、100ヤード付近からの3打目勝負に集中した。

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プレーオフ1ホール目は、ピンまで105ヤードの3打目を50度のウェッジで30センチにピタリ。バーディを分け合ったマークセンと次ホールに進む。2ホール目、マークセンは2打目で花道まで運ぶ。藤田は101ヤードの3打目を54度で上30センチにピタリと寄せた。マークセンの2メートルほどのバーディパットは、カップ右をすり抜けて、勝負は決した。

「今日はパットが入りまくりました。それにラッキーもありました。モッているというか、勝つ時はこういうことがあるんだなと。何やってもうまくいかない日もありますが、なにやってもいい結果にいく日もありますよね」。


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ラッキーを象徴するのがプレーオフ進出を決める正規の18番。バーディパットは8メートほどが残った。左に曲がる傾斜で「カップ右ふちを狙って打ったら、ちょっと引っかけました。カップ左ふちに向かって出たので、ダメだと思ったら、右に戻ってきて入ったんです」。レギュラーツアー通算18勝を挙げ、シニアでも4勝目。最高のプレーをして勝ち切るときもあれば、「自分が勝っていいの?」という展開で勝つ時があるのを思い出した。

昨季は米シニアにフル参戦をしたがシード獲得とはならずに、今季は国内に専念。「賞金ランキング上位で海外シニアメジャー出られるので、そこを目標にしてシーズンを迎えました」。序盤こそよかったが、5月以降、ショットの不調に陥り、その目標も大きく遠のいた。

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「シニアはゴルフを楽しみたい、と思う一方で応援してくれる方のためにも、結果を出して喜ばせたいという思いもあります。60歳までは優勝争いできる力を保ちたいと今は思っています」。

今年57歳になったがあと数年、国内シニアの一線で活躍するために、朝から体を動かすなど練習の取り組み方を変えた。それでもショットは良くなる気配がなかった。「今年はもうダメかな…」。そんな弱気の言葉も出るようになっていたが、今週は“応急処置”がハマったようだ。

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普段の藤田はクローズスタンスで肩のラインをオープンにしてフェードを打っている。ダウンスイングでフェースが開くのを防ぐために、「オープンスタンスにして肩のラインをクローズにしていました」。いつもと真逆の構えにして、まずは“フェースが開くミス”を封じようとした作戦が、グリーンをとらえてバーディチャンスを作れた。

優勝が決まると多くの仲間がお祝いにかけつけた。4年目にしてすでに13勝を挙げ、シニアで無双する同門の宮本勝昌は、ハグで出迎えた。「この4年間、(宮本に)何回おめでとうをいったか。今のゴルフの違いを考えると、この絵は想像できなかったです」。弟弟子の活躍は、刺激を通り越してうらやましいとさえ思ったほどだ。

「今回のショットは応急処置ですよ。根本の解決はまだですね」と表情を曇らせるが、優勝という結果を手繰り寄せたことは、いいきっかけになればとの願いもある。「ショットの課題をクリアして、周りからもう1回『藤田のゴルフいいね』と言われるところまで持っていきたいですね」。宮本の背中を追いかけて、再び強い藤田寛之を取り戻す道を歩む。

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