6バーディ・1ボギーの「67」で回ったシニア3年目の太田祐一が、首位と2打差の2位タイ発進。開幕戦の「ユニテックスシニア」以来の最終日最終組入りを決めた。
ベルトに着ける選手証は賞金シード選手を表す金色が誇らしい。シニア2年目の昨季、賞金ランクで19位に入り、レギュラーを含めて、初めてツアー競技のシード選手になった。「一つ上のカテゴリーで出場できているのでうれしいです」と頬を緩める。3年目の今年は、優勝が大きな目標である。
昨年初出場で3位に入った今大会。やはり相性はいいようだ。今季は2日競技の開幕戦では初日単独首位に立ったが、最終日に逆転されて3位タイ。その後、8月の「マルハン太平洋クラブシニア」の8位タイまでトップ10入りはなく、賞金ランクは36位とシード圏外にいる。「自分に合うアイアンを探していて」と道具選びに試行錯誤をして、結果が伴わない試合が続いたが、長崎の地では見事な滑り出し。
「練習日からスコアが出ていたので、相性がいいんです」と、コースの距離は短いが戦略性の高さに苦戦する選手も少なくないが、「得意中の得意」というショートアイアンやパット力を生かしてスコアをまとめた。
唯一たたいたボギーは右ドッグレッグの7番パー4。ティショットを右のOBに打ち込んだホールで、結果的には“ナイスボギー”だった。
太田のウィークポイントは「長いクラブ」と自認する。それには理由がある。「体の構造の問題で、生まれつき体の左右差が大きいんです。左側の部位が大きくて長いんです」。肩甲骨から指の先までを比べると、右に比べて左の方が3センチほど長いという。つまり右腕側が短く、グリップをすると極端に右サイドが下がり、そのまま構えると背骨が右に傾く形になる。
背骨が右に傾きすぎる変則的な構えにする考えもあるが、「スクエアに構えたい」とこだわりがあることから、バランスを取って構える。そのため長いクラブではエラーが起こりやすい。それに気づいたのは30代前半の頃。それ以降は骨格や体の構造について研究や学びを重ねている。シャローになりやすいスイングに合わせて、道具選びも難航するというわけだ。
ロングゲームに難点がある代わりといってはなんだが、ショートアイアンを含めてショートゲームには力を注いだ。「OBとか打たなければスコアを作れる」という自信が、シード獲得にもつながっている。昨季の平均パット数は10位(1.7677)にランクイン。今季は「ショットが悪くて、遠い距離に乗っている」ため、47位(1.8364)と数字的には低いモノになっているが、絶対の自信を持つ。
自信を持つパッティングで大切にしていることも教えてくれた。目の真下にボールを置いて、シャフトプレーンに沿って動かし、ヘッド軌道は「インサイドインに見える」ことを意識している。また肩の動きは縦ではなく、横が体の構造上、正解だという。
そして「外れてもいいと思っている」という思考も大事。「ミスパットをして入るのは嫌。自分のやっていることが100%出来て外れたらライン読みの問題。同じような傾斜なら次は読み方を調整すればいいんです。そうすると自分の技術が上がるので、外れてもダメージはない。だから1~2mのパットでも緊張しないんです」と、大事な場面でも常に平常心で入れるという強みもある。
PGA入会は2003年だが、JGTOが発足した1999年にプロ宣言をしている。レギュラーツアーは目立った活躍はできておらず、太田祐一の知名度はそこまで高くない。しかし、1日競技のミニツアーでは130勝以上を挙げており、界隈では「ミニツアーの帝王」と呼ばれる有名人だ。「出場試合数が多いだけですよ」と笑って話すが、今季は2日間競技で優勝賞金220万円を獲得したことには胸を張る。
首位と2打差で迎える最終日。「調子はあまりよくないですけど、こういう位置でやれるのがすごく楽しいです」と目を輝かせる。2年連続シードを当確させ、悲願のツアー初優勝を射止めるためにも、大事な18ホールになる。