渡邊達(60歳・A級)が4バーディー、1ボギーの69をマーク。「PGAティーチングプロシニア選手権大会」第1ラウンドを3アンダー3位タイと上位で初日を終え、日本タイトル3勝目へ向けて好スタートを切った。
2010年のティーチングプロ選手権、2023年のティーチングプロシニア選手権を制している渡邊は、今大会でも優勝候補の一人。その実力者が初日に見せたのは、派手さよりも経験に裏打ちされた粘り強いゴルフだった。
「正直、パターに救われました」と渡邊は開口一番、インタビューで振り返った。
本人としてはショットに納得がいっておらず、「自己評価なら30点から40点くらい」と厳しい採点。それでも難しいパーパットをしっかり沈め、チャンスでは確実にバーディーを奪取。大きく崩れることなく4バーディー、1ボギーにまとめた。
「ある意味、自分らしい粘りのゴルフができました」と苦しい場面でもスコアを作り上げるベテランらしい18ホールにした。
先月には日本シニアオープンに出場し予選を通過。強豪が集うナショナルオープンで4日間を戦い抜き、63位タイで大会を終えている。結果だけでなく、その経験は大きな財産になったという。
「気持ちの面もそうですし、コースマネジメントも含めて非常に良い経験になりました」と目を輝かせ、トップシニアたちと同じ舞台で戦い抜いた経験は、自信として今大会にも生かされている。
現在は埼玉県坂戸市のアーリーバードゴルフクラブで支配人兼ティーチングプロとして活動。スクールを中心に指導を行いながら、練習場運営にも携わる毎日を送る。
「スタッフのみんなに助けてもらっていますし、スクール生の皆さんにも応援していただいています」と笑顔をみせる。
日本シニアオープンから戻った際も、多くの利用者や生徒たちから温かい声を掛けられたという。試合に出場することで、渡邊に向けられる期待が新たなモチベーションになっている。
レッスンでは基本スイングの習得を重視し、常に効果的な練習方法を研究。支配人として施設を支えながら、自らも競技の第一線で挑戦を続ける姿勢は、多くのプロゴルファーからも注目を集めている。
体力維持のためには”軽め”のジョギングを続けシーズンを戦うと渡邊。今年はまだ大会も続き、12月には次なる戦いも控えている。だからこそ、今大会での戦いには大きな意味がある。
「チャンスがある位置なので、明日も頑張りたいと思います」。静かに語るその表情には、タイトルへの強い思いがにじんでいた。
アーリーバードゴルフクラブを代表する支配人プロが、3度目の日本タイトル獲得へ挑む。最終日の優勝争いで、その豊富な経験が大きな武器となりそうだ。