「PGAティーチングプロシニア選手権大会」第1ラウンドで、小川厚(52歳・TP-B級)が3バーディー、1ボギーの70をマークし、2アンダーは5位タイと上位で初日を終えている。
ラウンドを振り返り「唯一のボギー8番ホールは3パットでした」と苦笑い。それでも、この日の内容には確かな手応えを感じていた。「今日はアプローチを1回も打っていない」とショットの精度が光った。
グリーンを着実に捉えることで、安定感あるスコアで組み立て、ボギーを最小限に抑えられた。ラウンド後は取材を終えると、「明日はウェッジを使う場面があるかもしれないので、少し練習してきます」と足早に練習場へ向かった。
普段は栃木県の矢板カントリークラブを拠点として活動している。週6日、ラウンドレッスンやマスター室業務を担当し、来場者対応にも追われる毎日だ。
「ゴルフ場スタッフのみんなが楽しそうに働いている姿を見ると、自分も頑張ろうと思えるんです」。所属コースや仲間への深い愛着が伝わってくる。業務後はスタッフと一緒にラウンドしたり、アドバイスをしたりと仲間に信頼を寄せている。
小川が戦う理由は、優勝争いだけではない。所属する矢板カントリークラブは27ホールを有する人気コースだが、来年いっぱいで閉鎖されることが決まっていることもあり、「最後の所属プロとして結果を残したい」と強い思いがある。
今大会で優勝し、日本プロシニア出場への道を切り開きたい。そして矢板カントリークラブの名前を成績に刻みたいと考えている。
小川を支える存在も多い。キャップやウェア、キャディバッグにはスポンサーのロゴが並ぶ。なかでも長年応援を続けてくれている「長澤製作所」は特別な存在だ。前所属先時代から支援を続けてくれ、今でも練習ラウンドをともにするなど、公私にわたって支えてくれる大切なパートナーだという。
競技者としての実績も十分だ。2020年にはティーチングプロ選手権を制覇。今回はそのタイトルに続く、“シニア版”ティーチングプロ日本一の称号獲得に挑んでいる。
さらに近年はシニアツアーにも参戦。2025年の「すまいーだカップシニア」でツアーデビューを果たし61位、2026年も同大会で49位タイに入るなど着実に経験を積み重ねている。地元栃木からの声援を背負って戦っている。
閉鎖を控えるホームコースのために。支えてくれるスポンサーや仲間のために。そして自身2つ目の日本タイトルをつかむために。最終日には、これまでのたゆまぬ努力が成功につながるか、期待がかかる。