今年8月7日に50歳を迎え、ツアールーキーとして挑んでいる森本康正が、自身初の上位発進を決めた。「きょうは先輩たちに支えられながら、同伴競技者に恵まれました」と話すこの日は、6バーディ・2ボギーの「68」をマーク。4アンダー・14位タイで2日目に進む。
待望だったデビュー戦は8月の「倉本招待イーグルカップ」で54位タイ。その後の2試合も「50位あたりを低迷している」状況だ。
シニアツアー界では最年少ということもあり、「若くてピチピチしているので(笑)」と、いまのうちに結果を出したいという気持ちが強い。その一方で、「力が入ってしまって、結果を求めすぎていた自分がいた」とこれまでを振り返る。
「先輩たちよりも飛ばさなきゃなとか、(周囲から)『飛ぶね、飛ぶね』とか言われていたら、どんどん力が入っちゃって(笑)。そんな空回りなゴルフでした」。冗談交じりに話すものの、そこには自身のゴルフを見失いかけていた本音がにじむ。
そんななか、試合感にも徐々に慣れてきたことで、この日は自然体。「楽にいつも通りプレーができた。力が抜けてあまり結果を気にせずにでできたのかなと思います」。同組の選手にも恵まれ、力みなく自身のパフォーマンスを発揮。初日に60台でプレーしたのは初めてで、今季2度目の60台でのラウンドとなった。
森本は三重県出身で、2000年にプロ転向。02年に国内男子下部ツアーに出場し、レギュラーツアーは06年の「ANAオープン」でデビューを果たした。その後は思うような成績を残せず、12年を最後に競技からいったん離れることを決断。所属先の藤沢ジャンボゴルフで、約10年間にわたりレッスン業を行っていた。
藤沢ジャンボゴルフといえば、開放感のある練習場として知られる。弾道計測器のトラックマンを備えた打席もあり、パッティンググリーンやバンカー練習場、傾斜打席も完備するなど、本人曰く「とっても素敵な施設」だ。ロッカーやレストランも充実しており、「本当に奇麗な練習場なので、みなさんぜひ来てほしいです」とPRも忘れない。
そして、シニアツアーへの参戦に向けて「5年前ぐらいから」準備を開始。これまでよりもレッスン業の時間を減らし、ショットなど自身のゴルフに充てる時間を増やして、今季に挑んでいる。
シニアツアーは、どこを見渡しても「有名な選手」ばかりだ。「ワクワクしながら、毎週過ごしています」と、通り過ぎる選手はみんな先輩。「最初は挨拶回り」がシニアルーキーの通り道だ。「顔を覚えてもらえたらいいなと思います」と笑顔を見せた。
初日の滑り出しは上々だが、まだ大会は始まったばかり。「あと36ホールありますし、まだまだ長丁場なので、無理せずに淡々とやりたいと思います」と気を引き締める。目指すのは、自身初の「トップ10」入りだ。
上位には3季連続賞金王の宮本勝昌、国内男子ツアー永久シード保持者の片山晋呉、歴代賞金王の寺西明ら実力者が勢ぞろい。そのなかで上位フィニッシュを果たせれば、今後の大きな糧になる。
まずは好位置で最終日を迎えたい。そのために力みは捨て、自然体で――。“若さ”を強みに、エンジンを緩めず走り続ける。