「全部ハイライトですよ」。シニア3年目のすし石垣が、日本シニアオープン初日から持てる力をぶつけている。シニアデビューイヤーの2024年は21位、2025年は57位。3度目のシニアオープン挑戦は、これまで以上に強い覚悟で福岡・玄海ゴルフクラブへやってきている。
現在のシニアツアー賞金ランキングは12位。安定した成績を残しているように映るが、本人に満足の表情はない。目指すのはトップだけだ。
先週の仙台で行われたシニアツアーを17位で終えると、すぐに岡山へ戻った。寝る時間以外はすべて練習に費やしたというほど、自身のプレーを磨き続けてきた。「もちろん取りたいし、取ろうと思ってやってきた。でも始まったら何が起きるかわからないから、気持ちだけでいかないように。ゲームをしっかりやろうと思っていました」と特別な思いをにじませる。
熱くなりすぎず、冷静にゲームを組み立てること。ところがティーイングエリアに立つと心境は揺さぶられる。
「なんでかわかりませんけど緊張しました。いつも緊張してます。やっぱりナショナルオープンですし、ハードル高いじゃないですか」とベテランになっても消えない緊張感がある。それでも、その緊張感すら受け入れながら18ホールを戦った。
実は玄海ゴルフクラブは、すしにとって馴染み深いコースでもある。「メンバーさんと仲良くしてもらっていて、めちゃくちゃ回ってるんですよ」と玄海のラウンド経験値の量には自負がある。
改修前から足を運び、近年も年に数回はラウンドを重ねてきた。「選手の中では一番と言っていいくらいコースを知っています」。コースへの対応力は強みになる。そして必要なことは、大会仕様に仕上げられた玄海へどう向き合っていくか。
「普段の状態と違うからグリーンのスピードだったり、感覚が違うんですよね」と手ごたえを求めている。
この日のラウンドは決して派手なバーディラッシュだけではない。スプーンで刻み、グリーン周りからしのぎ、バンカーからチャンスを作る。状況に応じた選択を積み重ねていった。「やりたいことは半分以上できているんじゃないかなと思います」と確かな裏付けに自信も垣間見える。
今日のゴルフを振り返り「全部、全ホール、今日のハイライトがあります」と即答した。「カップを外したのも流れもあるし、全部”魂”込めて打ってるから全部ハイライトなんです」と、1打に対する並々ならぬ執着をにじませる。
今年のすし石垣は、どこか違う強い表情を漂わせながらも「気合が入りすぎてましたね」と苦笑い。それでも眼差しは真剣そのもの。
賞金ランキング12位という数字では満足できない。目指すのはシニア日本一。だからこそ一打に魂を注ぎ込み、18ホールすべてを最高のハイライトシーンとして戦い抜くことを誓った。