「PGA資格認定 最終プロテスト」の第1ラウンドが9月1日、栃木県の烏山城カントリークラブ(本丸・二の丸コース/7,148ヤード・パー70)で開催された。
朝から薄雲が広がり、厳しい暑さも和らいだコンディションの中、年に一度の最終プロテストが開幕。午前6時30分にトップスタートを迎え、出場155名による4日間の熱戦が幕を開けた。
初日は藤原直輝が7バーディ・ノーボギーの63をマークし、7アンダーで単独首位に立った。1打差の6アンダー2位タイには鈴木隆太と小村隼士が続き、5アンダーの4位に小林匠、4アンダーの5位タイには寺辻真生、山脇健斗、田村軍馬、寺西遼馬がつけている。
今大会には155名が出場。4日間72ホールの競技を終え、50位タイまでに入った選手がプロテスト実技試験合格者として認定される。
最終プロテストの第1ラウンドは、23歳の藤原が7バーディ・ノーボギーの63をマークし、7アンダーで単独首位に立った。大阪府出身、ゴルフ名門・興國高等学校から東北福祉大学へ進学した実力者でもある。プロテスト3回目にして、最高のスタートを切った。
ところが本人にとっては想定外の一日だった。「朝からあまり体調が良くなくて、薬を飲みながらプレーしていました」と告白する。
前日の夜から熱が上がり、当日の朝には38度近くまで発熱。午前4時頃に目が覚め「これはやばいな」と感じた。薬を飲んだことで症状が落ち着き、予定通りスタートした。
ところが「頭は結構ぼーっとしていたんですけど、それが逆に緊張しすぎず、クリアな感じでプレーできたのかなと思います」とその体調不良が思わぬ形で好結果につながった様子だ。
「ドライバーはほとんど曲がっていませんでしたし、パターもよく入ってくれて、本当にゆったり回れました」と笑顔が光る。
7つのバーディを奪いながらボギーはゼロ。ピンチらしいピンチもほとんどなかった。危なげだった場面は前半17番パー3。ティーショットを左バンカーへ入れたが、そこから約50センチに寄せる「完璧」なスーパーセーブを見せた。
大きなプレッシャーがかかる場面でも、ここまでの準備では特別なことはせずにやってきた。「無理をしすぎず、普段の力を出せるように。慣れたルーティンを守って、焦らないことです」と冷静に状況を見ている。かつては極度に緊張するタイプだったが、近年は日常生活の過ごし方から見直し、大舞台でも平常心を保てるようになってきている。
「パー5が少し長くてしんどい」と苦笑いもみせるが「比較的広いので気持ちよく回れている」とすがすがしい表情だ。
藤原はここ数年、苦しい時間も長かった。大学時代から首のヘルニアに悩まされ、一時は寝返りを打つだけで激痛が走るほどだったという。「大学1年くらいからでした。ずっと怪我に悩んでいて、去年のQTも棄権しました」と打ち明けたが、最近は信頼できるトレーナーとの出会いによって症状は改善。ようやく思い切りスイングできる状態にまで回復してきている。
最終プロテスト挑戦は今回が3度目。周囲では同世代の仲間たちが次々と活躍を見せていることも、プロ入りを目指すモチベーションになっている。
「細野勇策とは同期で仲がいいですし、久常涼や金子駆大らがみんな結果を出しているので、自分も続きたい気持ちはあります」。興國高校時代から切磋琢磨してきたライバルたちが国内外で活躍する姿は、大きな刺激になっている。
それでも藤原は前を見据え「調子の波が激しいタイプなので、落ち着いて一打ずつ丁寧にやっていきたいです」と口を結んだ。発熱というアクシデントを乗り越え、単独首位発進。冷静さを手に、悲願のプロテスト合格へ残り3日間に挑む。