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【関東グランド/FR】「優勝しなきゃな」から始まった2日間 60歳ルーキー・鈴木亨が関東グランドシニア制覇

2026年06月17日
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「朝スタート前に『優勝しなきゃな』って、烏山城CCの松井理事長にプレッシャーをかけられたんですよ」。笑いながら大会のはじまりを振り返った鈴木亨。その”優勝”という二文字は60歳のベテランの胸にしっかりと刻まれていた。

これまで数々の優勝タイトルを手にした鈴木だが、60歳節目の大会は決して楽な戦いではなかった。第1ラウンドでは、緊張の中で迎えたスタートホールをバーディで滑り出すと、続く2番パー4では残り100ヤードのセカンドショットがそのままカップへ吸い込まれイーグル。理想的なスタートだった。

ところが次の3番でティーショットOB。それでも「ボギーで収まったので良かった」と冷静に状況を見つめていた。この日は前半34、後半も2バーディを奪って34と4アンダー首位タイと好位置について優勝争いへ名乗りを上げた。

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そして迎えた最終ラウンド。「今日は勝たなきゃいけないという思いが本当にあった」。前日以上のプレッシャーを感じながらも、鈴木は不思議と自分をコントロールできていたという。

前半は1つスコアを伸ばし35。後半に入り加藤仁が11番でバーディを奪うと、一時は2打差をつけられた。しかし鈴木は続く12番でバーディ、加藤はボギーで1打差に。その後も一進一退の攻防が続いた。勝負が動いた終盤、鈴木は15番で単独首位に立つと、17番でバーディを仕留めさらにリードを広げる。最終18番では「3打差になったので、バタバタしない」と無理をせずティーショットを刻み、安全策を選択した。

経験が導き出したマネジメントで掴んだ、グランド初出場のタイトルだった。

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レギュラー8勝、シニアツアー6勝を誇る鈴木だが、グランドシニアでの勝利には特別な意味がある。「シニアに入った頃はマークセンがいてなかなか勝てなかった。でもグランドシニアに入ってすぐ勝てたのは、自分も成長したのかなと思います」と節目の還暦を迎え、優勝の味わいはより深くなる。

「ゴルフは飛距離を競うゲームじゃない。最後はスコアなんです」と、戦い続ける理由は明確だ。若い頃より飛ばなくなった。体の痛みもある。それでもスコアで勝負できるのがゴルフの魅力だと鈴木は語る。

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実際、同会場で行われたゴールドシニアに出場する80代の選手は、一年に一度の大会を楽しみに、一打の勝負を楽しむ姿があった。そんな先輩たちの戦いぶりは、鈴木自身にとっても励みになっている。「ゴルフってね、スコアをかけて、やっぱりワクワクするんですよ」と嬉しさをかみしめている。

「若い人の真似をして無理に飛ばそうとする必要はない。道具を上手に使って、自分に合ったゴルフをすることが大事で、年齢関係なく戦えるのがゴルフ」だと長年ツアーで戦ってきた鈴木らしい言葉でもある。その根底にあるのは、「365日24時間、ゴルフのことしか考えていない」と誰よりもゴルフと向き合う日常だ。

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食事もトレーニングも体調管理も、すべてはゴルフのため。家族からは「つまらない生き方」と冗談を言われることもあるというが、本人は笑って受け流す。

「結局、ゴルフしかやってこなかったから」という人生は家族も全力で応援してくれている。長男・貴之さんは現在PGAティーチングプロとして活動し、父の仕事に対しても強い理解がある頼もしい味方になっている。長女で歌手の愛理さんは、最近ゴルフを始めたといい、家族でゴルフ話に講じることもあるそうだ。奥様の京子さんはプロゴルファーと鈴木家は"ゴルフのDNA"がちりばめられた仲良し家族でもある。

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「優勝しなきゃな」と言われて掴んだPGA公式戦タイトルの価値は、46人もの歴代チャンピオンの名前が刻まれた大きな優勝トロフィーの重みがあることを知った。鈴木は勝利の喜びを再び味わった今、次の視線は目標”日本タイトル”だ。「日本アマ(87年)は別としても、日本を狙ってなかなか取れるものじゃないです。だけど、もちろん今度の日本グランドは狙っています」。60歳になってもなお、挑戦は終わらない。

同会場で同時開催された関東ゴールドチャンピオンの先輩・渡辺司と同時優勝も、万感の思いがある。「レギュラーのときに、司さんを目標にしていたんです。僕はシード選手を18年続けていたんですが、その前にずっと続けていたのが司さん。やっぱりコンスタントにずっと上位にいたからこそ、続けられることじゃないですか。だから、プロとしてすごく尊敬して目標にしていたんです」と胸の内を明かす。

「司さんが勝つんだったら、僕も勝ちたいって。だからさっきすれ違ったときに、勝ったよって聞いて…嬉しいんです」と長きにわたりプロとして活躍する仲間ならではの感激だった。

2日間赤いウエアを着て優勝を叶えた鈴木亨は、これからもゴルフの熱い情熱とともに歩み続ける。

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