今年1月に60歳になったプラヤド・マークセン(タイ)の通算26勝目で幕を閉じた今大会。ほかにも2人の60歳が大会を盛り上げた。
終盤までマークセンの背中を追ったのが2020年賞金王の寺西明。3月に60歳になった還暦プレイヤーの一人だ。首位と2打差の2位タイから出たこの日は、前半チャンスを作りながら決めきれない。逆に5メートルほど残ったパーパットを沈めてピンチをしのぐ場面もあり、オールパーで折り返す。
後半に入り12番、14番でバーディを奪い、首位を走るマークセンに迫る。続くバーディが獲りたい15番パー5は「凡ミス。そこで差が開いてしまった」とパーで終えると、16番、17番もバーディチャンスを逃した。終盤も伸ばし続けたマークセンの背中は遠のき、2位タイに並んで迎えた18番パー5。「単独2位にしなければ」と強い気持ちで挑み、2メートル弱のバーディパットを沈めて通算12アンダーで単独2位を死守した。
「最低限とれたので、それでいいんじゃないかと思います」と気温30度を超える1日でもしっかりやりきった。
しかし2021年「金秀シニア」以来の優勝はお預けとなった。「今回行っとかなあかんよね。それも勝負事なんでね。マークセン、強いですね。同級生ですし、ちょっと歯がゆい。でも(鈴木)亨ちゃんも60代やし、ちょっと違う60代を見せなあかんね」。
過去2年、60代でシード権を獲得した選手は不在。今年の60代は違うところを見せてくれそうだ。
もう1人は寺西の口からも出た、鈴木亨だ。大会初日に還暦の誕生日を迎えると、いきなり「66」をマークして3位で滑り出す。2日目は2つのボギーが先行し、「今までの僕だったら『76』ぐらい打っていたかも」という悪い流れだったが、うまく断ち切り8番以降、5バーディを奪って、2024年の最終戦以来の2日連続60台となる「69」をマークして首位と2打差で最終組に入った。
昨季は9年連続守った賞金シードを喪失したが、2022年「ファンケルクラシック」以来の優勝の好機。前半2つ伸ばして、首位タイで後半に向かった。久しぶりに優勝を意識したサンデーバックナイン。「ショットは悪くなかったけど、パッティングが決めきれなかった」と唇をかむ。
チャンスを演出するもスコアを伸ばせないホールが続いた。特にイーグルも狙える15番パー5は、ティショットをフェアウェイの絶好の位置に置いたが、「セカンドがね。絶対に行ってはいけない右に行っちゃって…」。右のガードバンカーに入れて3打目でグリーンに乗せられず、寄せワンのナイスパーセーブだが、悔やまれる1ホールとなった。
攻めた18番パー5もボギー。結果的に最終日は「72」で通算9アンダー・7位タイで2季ぶりのトップ10入りは死守した。「僕、(日本)シニアオープンの資格がなかった。トップ10に入らないと厳しいと言われていたけど、それは達成できたので一つの収穫ですね」。
今大会終了時点の賞金ランキング30位以内には今年の「日本シニアオープン」の出場権が付与される。大会前55位だったランキングは22位に浮上し、本戦切符を手にした。
最終日を振り返ると「後半のハーフに崩れるっていうのは、ちょっと脱皮しきれていない部分があるけど、これからちょっと楽しみになってきました。また頑張ります」。60歳になって、ガツガツいかないと話していたが、うちに秘める闘志をますます燃やす3日間になった。
今年は"新60代"を中心にシニアベテラン勢がちょっと違うかもしれない。