45歳でPGAプロテストに合格してシニアツアーに参戦している飯田耕正は、単独首位で迎えた初めての最終日は"悔しさ"と“勉強”の1日となった。2バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「75」とスコアを落として、通算8アンダー・9位タイに終わった。
緊張感に包まれたスタートホール。ティショットはフェアウェイをとらえ、無難にパー発進。2番、3番はともに2メートルにつけたが、いずれもカップに沈まない。4番パー4はティショットを右のガードバンカーに入れると、左足下がりの難ライから反対側のカラーまで転がり、ボギー。続く5番もボギーと苦しい流れ。中盤以降もティショットのミスなどが重なり、巻き返す機会を逸してしまった。
「展開が悪いし、チャンスについても獲りきれず…強い気持ちを続けられなかったですね。ちょっと不甲斐ないラウンドになってしまいましたが、自分が崩れたのがすべて。未練がないというか、自分が悪いゴルフしかできなかった」と肩を落とす。
ただ気持ちは前向きだ。「これも次への練習。これを糧に。(最終組の)寺西(明)さん、(鈴木)亨さんは、やっぱり要所要所しっかりしていて、優勝の場面もたくさん経験されてきているので、地力の違いをヒシヒシと感じました。そういうゴルフが出来るように…」。
最終組で18ホールを共にしたのは、シニア通算5勝で2020年賞金王の寺西明とレギュラーツアー通算8勝&シニア通算6勝の鈴木亨。自身よりも経験豊富な先輩のスコアメイクの仕方は、ロープ内にいるからこそ分かる部分が多かった。前半オールパーの寺西は終わってみれば単独2位。鈴木は後半伸び悩んだが7位タイに踏みとどまった。
流れを悪くした要因の1つが4番パー3である。寺西は飯田と反対の左のガードバンカーにつかまり6メートルほどのパーパットが残ったが、カップのど真ん中から決めた。鈴木は飯田と同じ右のガードバンカーに入れたが、30センチに寄せて“お先パー”と流れを変えずにスムーズに進んだ。
「亨さんのところはアップヒルなので打ちやすい。僕のところはダウンヒル。これはショットの差です」という。鈴木はバンカーの手前から転がって入ったため、アップヒルのライ止まった。飯田は大きく曲げてバンカーの右側から落ちたためダウンヒルになった。
「強い気持ちを持てなかったクラブ選択のミスかなと。あとから考えたら7番アイアンで手前の花道からでもいいと思ってしっかり打てばよかったかなと」。
7番アイアンだとグリーンに届かない可能性は高いがバンカーにつかまってもそれほど難しいライにはならない。上の番手の6番ユーティリティで打つ場合は、抑えたショットが要求される。飯田は大きい番手でコントロールするつもりが、ボギーにつながるミスになってしまったと分析する。
「スコアを守りたいという消極的な気持ちで、なんとなくグリーンに乗せたい、届かせたいというクラブ選びと打ち方でした。強い気持ちで積極的にいければよかったかな。2番、3番のバーディパットも、2日目まで以上に細かい傾斜を気にしすぎて、決めきれずという部分もありましたね」。
グリーンに乗らなくてもボギーにしない流れの作り方、リスクを追わない攻め方などなど、多くのことを学んだという。
ただ2日目を終えて11アンダーの首位に立っていたのは事実。「2日間いいゴルフができたのは自信になりました。(最終日に)もうちょっと積極的にいける気持ちを持つとか、伸びしろしかないですね。自分のショットが磨かれれば、上位でやれるチャンスはあると思います。練習してがんばります」。
38歳までトップアマとして腕を鳴らしたが、プロのフィールドでの経験は「みなさんに比べたら微々たるもの」と話す。経験豊富な二人のプレーを見ながら、1つ1つの出来事をかみ砕いて自分に吸収して次の試合につなげていく。
収穫もある。今大会終了時点の賞金ランキング30位に「日本シニアオープン」の出場権が付与されるが、32位だった飯田は、18位にランクアップして出場権を獲得した。
「出場できる試合が1つ増えたのはうれしいです。次に向けてがんばります」。この1日をいい経験で終わらせずに、結果につなげる気持ちがヒシヒシと伝わってきた。