シード復帰元年の宮瀬博文が虎視眈々と初優勝を狙う。首位と3打差の10位タイから出たこの日、強風の中、5バーディ・2ボギーの「69」と3つ伸ばして首位と4打差ながら4位タイに順位を上げた。
最大瞬間風速15.3m/sを記録したこの日、多くの選手が風に苦しめられた。宮瀬も例外ではなかった。3番パー4は2打目がフォローの風に乗ってグリーン奥に外す。4番パー3は右からの風に乗って左奥の難しいところに外して連続ボギーと苦しい立ち上がりだった。
「風の日は、アゲンストは球を低く打つから目線を低く。フォローも手前から行きたいから目線は低く」と意識を持つと6番から息を吹き返す。2.5メートルを沈めて取り返すと、7番は2メートル、8番は1メートル、9番は手前のカラーから6メートルをパターで流し込んで4連続バーディ。11番でも1つ伸ばすと、13番、14番は2~3メートルのパーパットを決めてしのげたのも、好スコアにつながった。
「今日はパッティングがよかったです」と振り返ったが、風をも味方につけたホールも。グリーン上のボールの転がりにも影響を与えるほどの風だったが、「ちょっと右に出してしまったのが、右からの風に押されて入ったり(笑)」。ミスパットがバーディにつながることもある1日だと振り返る。
前戦からパッティングの状態が上向いていると話すが、中尺パターへの想いを断ち切ったのが大きい。長尺パターの使い手として知られるが、「練習では中尺パターのフィーリングがよくて、気持ちよく打てるんです。それで試合で使うとえらいことになっちゃう」。練習の感覚の良さが忘れられずに、キャディバッグに長尺と中尺の2本を入れていた。今までは長尺で嫌な外れ方をすると中尺の誘惑に戻ることもあった。「キャディバッグに入れていないし、家にあります」と封印したことで長尺パター1本に絞り、集中力を高めている。
宮瀬といえば1992年には当時史上最年少の21歳で賞金シードを獲得して注目を集めた。レギュラーツアーでは通算7勝を挙げるなど長年活躍した。
2021年にシニア入りし、デビュー戦の「ノジマチャンピオンカップ箱根」では、プレーオフで篠崎紀夫に敗れたが2位タイと存在感を示した。同年は3位に3度入り、ルーキーイヤーで賞金ランキング16位。いつ勝ってもおかしくないといわれたが、翌年からシード権を手放す憂き目に合う。
「みんなうまいから、なかなか難しいですよね」。一度落としたら復活は難しいといわれる世界だが、昨年は賞金ランキング29位で見事にシード復帰を果たした。
4年ぶりのシード選手として迎えた今年。「初優勝はずっと念頭にある。今年始まる前は勝ちたいという気持ちを持ってスタートしている」としっかりと意識は持っている。首位との差は4打と決して小さくないが、「バーディを狙うより、ボギーを打たないこと。バーディが来ればラッキーみたいな展開でいければ明日はいい勝負できると思う」と力強く語った。