シニア6年目の矢澤直樹の腰に光る金色の選手バッジがまぶしい。シニアツアーに出場する選手証だが、通常はシルバーで統一されているが、賞金ランキング30位以内のいわゆるシード選手だけは、ゴールドになっている。「これを目指してがんばっていたんで…」と嬉しそうに見せてくれた。
矢澤は高校卒業後、ゴルフ場で研修生となったが10年かけて1998年にプロテストに合格。「(レギュラーツアー)シード選手になりたいと思って頑張っていたけど、まったくダメでした」。46歳になるまでQTに挑戦し続けたが、レギュラーツアーの出場試合数は11にとどまり、最高成績は2011年「日本プロゴルフ選手権」の61位タイ。
2021年からはシニアツアーに参戦し、22年以降は予選会を上位で通過して、フル参戦をしている。23年と24年は賞金ランキング32位と、あと一歩でシード入りを逃した。そして予選会が振るわなかった25年は、「前年大会5位以内」(前年3位)の資格で出場した「マルハンカップ太平洋クラブシニア」でうれしいシニア初優勝を遂げ、賞金ランキング11位で悲願の初シードを獲得した。
シード選手として戦う今年は、3戦して「リョーマゴルフ日高村オープン」の31位タイが最高成績と思ったようなシーズンではない。「優勝してからあまり成績が出ていなくて。優勝が事故みたいな(笑)」と自虐的に話すが、第1ラウンドのこの日は5バーディ・ボギーなしの「67」をマーク。首位と2打差の7位タイとここまでの不調を吹き飛ばす滑り出しを見せた。
今季ツアーでは初の60台。「今年はプライベートでも60台が出ていないかも」という会心のゴルフだったが、今週は先輩からのアドバイスが効いている。
レギュラー通算8勝、シニア6勝の鈴木亨と日頃から練習ラウンドをともにし、「いつも勉強させてもらっています」と頼りにする先輩である。この日60歳の誕生日を迎えた鈴木は「66」の3位タイ発進。練習日からゴルフの調子がよく、「今週は亨さんからいろいろと教えてくれました」と上機嫌だったという。
「アドバイスができたところとできないところはありましたけど、とてもよかったです。アドバイスの中身も簡単に言うんじゃないといわれているので、優勝したら話します」と初日の段階では内緒だったが、確実に矢澤のゴルフを変えるアドバイスだったのはいうまでもない。
金バッジをつけたころは身が引き締まる思いだったが、「もう忘れてしまっています」と笑って話すが念願の“金バッジ”はそんな簡単に忘れるワケにはいかない。残り2日、黄金に輝くバッジに恥じない活躍を誓った。