首位と6打差の6アンダーから決勝ラウンドに挑んでいる出利葉太一郎(いでりは・たいちろう)が1イーグル・3バーディ・2ボギーの69で回り、207ストローク、9アンダーで第3ラウンドを終え、首位グループとは4差で優勝争いに望みをつないでいる。
出利葉は2025年資格認定最終プロテストで2位に4打差をつけてトップ合格した。2023年からJGTメンバーとしてツアーに参戦し、ACNツアーとレギュラーツアーで腕を磨いていた。プロテスト受験時の賞金ランキングは56位でツアーの合間を縫ってのプロテスト受験だった。
「本当はここにいること自体悔しい。俺はこんなもんじゃないし、ここでやっている場合じゃない」。ツアー経験者がプライドをかけて挑み、最終プロテストという場で実力と存在を知らしめた。
2025年シーズン終了時の賞金ランキングは59位。ドライビングディスタンスの平均は311.62ヤードで全体4位を記録し、さらにイーグル率では1位と、圧倒的な飛距離を武器にしたパワーゴルフを展開できるのが特徴だ。
今年はさらに技術を磨き、ドライビングディスタンス(ドラディス)の333.08ヤードは全体で1位(計測対象4試合)。現在2位の幡地隆寛とは17.19ヤードの差をつけている。今季オフはシニアツアーで活躍する高橋竜彦と一緒に合宿を行うなど、レベルアップを目指しトレーニングにも精を出している。
ツアー4年目の出利葉にとってプロゴルファー日本一を決める"日本プロ"は初の舞台。それはPGA会員だけに与えられる特権だ。「プロテストでトップ通過して、この試合に出られることをすごく楽しみしていました」と期待に胸は躍る。
予選ラウンドのペアリングは日大ゴルフ部先輩の片山晋呉と同組だったことは「本当に貴重な2日間で、グリーン周りのアプローチもそうですし、フェアウェイからのショットもすごい勉強になりました。晋呉さんは本当にお手本のようなゴルフで、それを見ながらスコアを出せました」と充実した時間を過ごし、決勝ラウンドに駒を進めた。
第3ラウンドはスタートからバーディ&チップインイーグルと幸先良い流れを見せた。前半はバーディチャンスを逃しつつ、好機が来るのを待ち続けていた。
風の強く吹く難易度の上がる後半は13番でボギーが先行。それでも15番では、アゲンストの風の中でドライバーを振り抜いて、ボールはトラップバンカーを超えキャリーで285ヤードのビックドライブを見せた。
「打ってバンカーに入ったらトレーニングしようかな」と力試しのティーショットは見事に成功。セカンド残り42ヤードをピンまで5メートルに乗せてバーディ奪取。
続く16番パー3は初日のボギーに続きボギーに。17番はグリーンカラーから8メートルのパットが決まりバウンスバックに成功。「あのパットで少し安心できました」と気持ちを奮い立たせた。
最終18番は1.5メートルのバーディパットを決められず、悔しさをにじませたが「幸先の良いスタート以降は次のチャンスが来るまでは長くて。それでも凌ぐところで凌げたのは良かったです」と自己評価する。
強風が吹き荒れる難しいコンディションの中でも、出利葉はドライバーショットを計13回使用し、積極的な攻めのゴルフを見せた。
「グリーンが柔らかくなっているので、練習ラウンドに比べてドライバーを持つ回数が増えています」とコース状況の変化を的確に読み取り、「今の自分がどれくらい戦えるのか楽しみ」と手応えと自信をのぞかせた。その選択は確かなアドバンテージへとつながっている。
迎える最終ラウンド。「めちゃくちゃ勝ちたいです」とシンプルながら力強い言葉に、強い決意がにじませた。
日本プロといえば、2年前に同じ日大ゴルフ部でキャプテンを務めた杉浦悠太が、初出場でツアー初優勝を飾った舞台でもある。今年はその杉浦は米下部ツアーに参戦中で日本プロは不在。
だからこそ、当時の副キャプテンであった出利葉にとっては、初出場・初優勝という“同じストーリー”を描く絶好の機会だ。その時は、すぐそこまで来ている。