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シニアツアー

【ユニテックスシニアOP】欧州シニアで学んだ横田真一がシニア初優勝「ロフトを寝かす」風対策が功を奏す

2026年04月12日
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今年のユニテックスシニアは「風」をどう攻略するかがキーだった。最終日の見どころは上がり3ホール。難易度の高いピンポジションが待ち受けていて、ゲームを面白くさせるし、最後まで展開はわからない。優勝争いをする最終組が後半に入ると、状況は混とんとしてきた。

「ハーフ終了して、首位と3打差ついていたから優勝は意識していませんでした」と横田真一(54)は振り返る。本人自ら「何が起こるかわからないのが僕のゴルフ」と語る通り、誰も予想しなかった大逆転の“横田劇場”が幕を開けた。

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初日首位スタートの太田祐一(52)が優勝争いから脱落。2位スタートの岩本高志(51)が3つスコアを伸ばし首位を逆転。ところが首位と2打差からスタートした横田真一が後半に入り岩本を猛追し始める。横田は12番でバーディ、岩本はボギーで1打差に詰め寄り、横田は岩本にじわりプレッシャーをかける。続く13番で横田が連続バーディとし、7アンダーで岩本に並んだ。ところが次の14番では岩本がバーディで畳みかけ、負けじと首位に返り咲く。

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目まぐるしい1打を争うマッチレース展開が予想されたが、15番パー4、横田の第2打。グリーンまで150ヤード、8番アイアンで打ったボールがカップに吸い込まれ、イーグル劇場。本人は「ほぼまぐれ」というが、「セカンドが入る選手は当然、良い流れがきている」とインターネット中継解説の芹澤信雄もお墨付き。優勝に向けて一歩抜け出した”ワンショット”になった。

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横田は15番イーグルショットで形勢を逆転。横田は16,17番と連続バーディを奪うが、岩本は16番ダブルボギーが響き、終わってみれば横田が通算10アンダーまでスコアを伸ばして4打の大差をつけて逆転、念願だったシニア初優勝を飾った。

第1ラウンドの爆風から比べたら、最終ラウンドは穏やかな風。しかし南紀白浜に吹く風は「向きがバラバラで読みが非常に難しい」と選手は風の難しさを口する。

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本大会に75歳で最年長出場している高橋勝成は、18番グリーンそばで優勝パットを沈めた横田の姿を見つめ「横田くんは去年、ヨーロピアンシニアツアーに一年間参戦して、いろんなコースでプレーしたことがプラスになっていますよね。特に風の強さとか寒さとかグリーンとか。日本のゴルフは均一だけど、向こうはそんな整った状況とかあまりないですよ。タフさが身に付いたのでしょうね」と大ベテランは目を細めた。

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横田は海外シニアツアーに挑戦を続けている。ステイシュアーレジェンズツアー(欧州シニアツアー)では昨年のツアー出場最終予選会でトップ通過を果たし、ツアーカードを手に入れた。出場した12試合では結果を残すことはできなかったが、海外でしか得られない経験や情報という大きな収穫が得られたのだ。

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「初日風が強かったんですけど、強風のときはロフトを寝かすっていうのが向こうで経験した一つの知恵です」と技巧派の横田は言葉を選んだ。

「今回は風が強かったので、1メモリ、ドライバーのロフトを寝かせたんです。僕はロフトが立ってるのが好きなんですけど、ロフトを立たせるとアップブローで打つので、球が高くなるんです。みんな低くなると思うんだけど、高くなるんですよね。風が左から来ている時はドローを打たないとダメなので、その経験は今週生きていると思います」と分析する。

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海外シニアの魅力は「井戸木さんが全米プロシニアで優勝したり、海老原さんがヨーロッパシニアの賞金王になったり、僕も手に届くんじゃないか、って。レジェンドが偉業を成し遂げるわけじゃないですか。だから僕にもね、チャンスがあることもあるかなと」と言い、横田は目を輝かせる。

アントニオ猪木さんが「人はあゆみを止めた時、そして挑戦をあきらめた時に年老いていくんです」という名言を引用して表彰式では優勝スピーチをした。

「何事もやってみないとわからないですよね。挑戦しつづけないと年老いていくっていうのが僕のテーマでもあります」と話す。

そんな横田は、今年1月に挑んだヨーロピアンシニアQTでは敗退したが、6日前にカリフォルニアで行われた全米シニアオープン1次予選会(セブンオークスCC)を3位通過したばかり。5月から6月にかけて開催される最終予選会に通過すれば、7月の本選出場も実現するところだ。

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「年中、海外メジャーに挑戦しに行っているので、メジャーの予選会に行かなくてもいい日本の賞金ランキングに入ってみたいです」。日本シニアツアーの賞金ランキング4位までにはいれば、世界のチャンスは開けてくる。

大会ホストプロの奥田靖己もそんな横田を応援する先輩プロのひとり。「横田くんはゴルフの向上心がすごいだけじゃなく、気遣いもできる。この大会を最初から一緒に盛り上げてくれて、彼の優勝は本当に嬉しい」と、表彰式を見守った。

横田は「奥田さんはヨーロピアンシニアに挑戦した選手で、多彩な技が魅力な先輩です。僕のYouTubeチャンネルにも出演してくれるのですが、ファンもすごく多くて人気なんです。そんな奥田さんのホスト大会で優勝できたことは、僕にとっても嬉しい」と笑顔を見せた。

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ヨーロピアンシニアツアーで得た“風対策”は、日本のシニアツアー初優勝という形で生かされた。先輩プロからたくさんの祝福を受け、ひとりひとりに丁寧に頭を下げる姿はとても温かい気持ちにさせてくれる。

シニアツアーは開幕したばかり。2026年は横田の優勝を皮切りに今シーズンの盛り上がりが期待される。

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