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シニアツアー

《いわさき白露シニア/FR》賞金シード30名が決定! 杉山直也は58歳でキャリア初のシード獲得に「人生で初めてゴルフでやり遂げた」

2025年11月23日
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国内シニアツアーは「いわさき白露シニア」をもって全16試合が終了。宮本勝昌が3年連続3度目の賞金王を獲得し、同時に2026年の出場権が与えられる賞金ランキング30位以内のシード選手が決定した。

最終18番パー5、宮本がプレーオフに進むためのイーグルパットはカップに沈まず、その瞬間に優勝の可能性が潰えた。一方、入れば優勝の1メートルのバーディパットを手嶋多一が外したことで、トータル12アンダーで並んだタマヌーン・スリロット(タイ)と手嶋のプレーオフに突入。スリロットが優勝すれば、賞金ランキングで宮本を抜き、逆転での賞金王もかかっていた。1ホール目にバーディを奪った手嶋が、パーとしたスリロットを退け、シニアツアー3勝目。同時に宮本の賞金王が確定した。

表彰式後には『2025賞金王』と入ったボードを高く上げて、笑顔でカメラに収まった宮本だったが「プレーオフに残れなかったのが残念です。どうすることもできないので」と悔しさをにじませる。

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23年、24年には3勝ずつを挙げたが、今年は4勝を積み上げて、節目となるシニアツアー10勝に到達。「優勝回数が1回増えたのが嬉しいことです。(10勝は)通過点にしたい」。

今年はショットの不調に苦しみながらも、卓越したマネジメントで勝利を積み重ねてきた。「来年は来年でまたイチから。開幕戦が初戦なので、そこで優勝争いしたい」と一戦必勝の考えは変わらない。

4年連続賞金王となれば金井清一の記録(1993~96年)に並ぶ。

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また、初シードを獲得したのは7人。シニアルーキーでは今季2勝を挙げた岩本高志(賞金ランキング4位)、海老根文博(同8位)、谷昭範(同21位)が上位30人に名を連ねた。そして、「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」で初優勝を挙げたシニア5年目の矢澤直樹(同11位)、2年目の太田祐一(同18位)、9年目の杉山直也(同30位)が悲願の初シードを獲得。杉山の58歳での初シードは最年長記録となる。

先週時点での杉山の賞金ランキングは29位。今大会では2日目を終えてトータルイーブンパーの31位タイと、賞金シード確保にはボーダーギリギリの成績で最終日を迎えた。最終的にトータル3オーバー・51位タイと順位を落としたため、他の選手の結果次第でこぼれる可能性もあった。

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先週時点での杉山の賞金ランキングは29位。今大会では2日目を終えてトータルイーブンパーの31位タイと、賞金シード確保にはボーダーギリギリの成績で最終日を迎えた。最終的にトータル3オーバー・51位タイと順位を落としたため、他の選手の結果次第でこぼれる可能性もあった。

全選手のホールアウト後にギリギリ30位での初シードが確定すると、「決まったということでいいんですか? ありがとうございます」と半信半疑な様子。少し落ち着くと「レギュラーからも初シードなんですよ。今年は人生で初めて、1年間を通してやり遂げたような気がします」と喜んだ。

杉山は昨年、父親を亡くしている。「それからゴルフの流れがずっといいんです。僕の実力はこんなじゃないから、ずっと応援してくれるのかなと思って」と、しみじみ語った。

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さらに、賞金シード復活となったのは3人。桑原克典(同12位)と野仲茂(同26位)は2年ぶり、宮瀬博文(同29位)は4年ぶりのシード返り咲き。

野仲は最終予選会では39位に沈み、今季はウェイティングから出場チャンスを掴むなど、全16試合のうち半分の8試合と限定的な出場となった。「試合数が少なかったから、あっという間でしたね。たまに出る試合だから気合いが入って、集中力につながったのかな」と1年を振り返る。来年に向けては「花粉症ということもあって、春先がいつも良くないから、しっかりケアをして開幕戦に臨みたい」と話した。

シードの枠はたったの30人。誰かが入れば、誰かが落ちることになる。ジーブ・ミルカ・シン(インド・同33位)、塚田好宣(同39位)、椎間板に細菌が感染する化膿性椎間板炎の治療で約2カ月入院し今季は4試合の出場にとどまった片山晋呉(同40位)、横尾要(同44位)、深堀圭一郎(同47位)、飯田耕正(同52位)、伊澤利光(同54位)、鈴木亨(同58位)、谷口徹(同62位)、米シニアツアーを主戦場として1試合だけ出場した藤田寛之(同93位)の10名が今回賞金シードからこぼれた。

それでも、片山晋呉はレギュラーツアーで25勝以上を挙げた選手に与えられる『永久シード権』を持ち、深堀、伊澤、鈴木、谷口、藤田は『生涯獲得賞金ランキング上位20名』の資格を持つため、それを行使すれば来年もシニアツアーにフル参戦することができる。

なお、今年の賞金シード獲得者の最年長はプラヤド・マークセン(タイ・同3位)、寺西明(同13位)、白潟英純(同24位)の59歳。昨年に引き続き、2年連続で60歳以上の賞金シード選手がいないシーズンとなった。

以下、初シードを獲得した選手たちのコメント。

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■岩本高志 賞金ランキング4位

まさか優勝できるとは思っていませんでした。シードを取ることが最初の目標でしたし、いろんなことがクリアできて、「勝ちたい」という気持ちがすごく強くなったというのはあります。

優勝できたときは、「優勝しちゃった」みたいな感覚だった。そのあとに日本シニアオープンとか、本当に優勝したいと思って準備してダメだった。そういうところが来年の課題かなと思います。

(賞金ランク4位以内には来年の海外シニアメジャー出場権が与えられる)

メジャーは初めてなので楽しみです。スケジュールもまだ知らないし、まったく分からないので宮本さんに聞きます。

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■谷昭範 賞金ランキング21位

(昨年7月に3度目の直腸ガンの手術を行った)

結果的には上出来。目標は優勝と思っていたんですけど、体がそのような状態ではないので18ホール歩くのが精一杯でした。

(スイングの邪魔になる人工肛門をつけていないため、何度もトイレに行かなきゃいけない)食後の20~24時間後に便が出ますから、スタート時間から逆算して食事を摂っています。だから試合のときは一日一食で夜のみ。ラウンドが終わったあとの夕方に出る感じです。試合が終わりましたので、今日からいっぱいご飯を食べようと思います(笑)。

レジェンドツアー(欧州シニアツアー)のQTを受ける予定で、うまくいったら来年は横田(真一)さんみたいに日本と欧州を行き来する活動になるのかな。

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■矢澤直樹 賞金ランキング11位

(優勝した)「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」(8月23~24日)が僕にとって今年初戦でした。そこから30位台や40位台ばっかりで、まぐれ優勝がバレてしまいました(笑)。

初めてシードも決まって、もっと気持ち良くゴルフができると思ったんですけど、何も変わらなかった。その辺をどうしたらいいのか? 諸先輩方に聞いてみたいと思います。

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■太田祐一 賞金ランキング18位

とりあえず今年はシードを獲るのが目標だったので、最低限はできたかなと思います。欲を言えば賞金ランキングトップ10に入りたかったので、もうちょっとやれたかなという思いもあります。

今年回った選手の中では、宮本さんは「調子悪い、調子悪い」と言いながら、それなりにまとめてくるし、ショットも幅の中に収まっている。そういうところはやっぱり強いなと思います。あとはサイモン・イエーツがいいショットを打ちますね。ショットメーカーですし。飛距離も出る。

来年の目標はもちろんシードは獲ることと、あとは優勝を目標としてやりたいと思います。

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