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シニアツアー

《いわさき白露シニア/2R》キャディマスターと二足の草鞋を履く齋藤光博は「有給がなくなりました」 シニア2年目でシードが届く位置まで前進

2025年11月22日
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シニアツアー2年目の最終戦を斎藤光博(51歳)は賞金ランキング38位で迎えた。来シーズンの出場権が得られる賞金ランキング30位以内にはまだ足りない。しかし、昨年は66位だったことを考えると、確実に前進している。

レギュラーツアー時代は「開幕戦から出られたのは(2006年の)1年だけ」。優勝はおろかシードにも縁がなかった。プロでの最高成績は2008年の下部ツアー「有田東急JGTOチャレンジ I 」の5位タイ。4人のプレーオフで決着した大会で1打届かなかった。

レギュラーツアー時代から現在まで、試合がないときは岡部チサンカントリークラブでキャディマスターを務めている。試合がある週でも「空いている2日間は必ず出勤します」と休みなく働く。シニアツアーには有給と公休をやりくりしながら出場している。「今回で有給がなくなりました」と笑う。

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同じ埼玉県出身の先輩でいつもアドバイスをもらっているシニアツアー通算2勝の久保勝美からは『とりあえず自分のやっていることをやれ。人のマネをするな』と言われている。「最近、意味が分かるようになってきて、自分のプレースタイルというか、自分の形を持たないといけない」と気付いた。

レギュラーツアー時代は「本当の力の差が感じた。戦えないと思っているから真似ばっかりしちゃっていた」と、歯が立たなかった。シニア入りしてからもそれを引きずっていた。レギュラーツアーで何勝もしている選手と回ると、「テレビで見ている人と回るわけで、心臓がバクバクして、自分のゴルフもできないし、変な感覚がありました」と実力を発揮しきれなかった。

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転機となったのは昨年の「コマツオープン」。2日目に片山、藤田、タマヌーン・スリロット(56歳・タイ)と同じ組で回った。「フワフワしていたけど、思ったより普通にできていた」と、それまでの緊張が一気に抜け、少しずつ自分のプレーができるようになってきた。

シニアツアー2年目を迎えて、マネジメントも変化した。「以前は良いボールを打ちたいとかありましたけど、そうじゃないと気付きました。僕は去年の方がボールは飛んでいたりするんです。久保さんを見ても『何で飛ばさないようになったんだろう』と思っていたのが、2年目で分かるようになった。やっぱり曲げないことが大事なんです」。

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飛距離を犠牲にしても正確性を追求したことで、「今年の途中からミスが大きなミスにならないようなマネジメントができるようになってきた」。昨年の平均スコアは72.58で69位だったのに対し、今年は71.71で46位まで改善。18ホールで1打近くも向上している。

現在賞金ランキング38位の斎藤光博が賞金シード圏内の30位に滑り込むためには、今大会でトップ5に食い込むことが目安となる。大会2日目を終えた時点で齋藤の順位はトータル3アンダー・13位タイ。5位の選手までは4打差で、決して届かない差ではない。ちなみに今日11月22日は『いい夫婦の日』で、齋藤にとって21回目の結婚記念日だった。翌11月23日をキャリアで初めてシードが取れた新たな記念日にしたい。

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