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シニアツアー

《いわさき白露シニア/1R》今季は最終戦までトップ10なしの深堀圭一郎が2位タイ発進!前週に石川遼とプレーして得た収穫とは?

2025年11月21日
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2019年のシニア入り以来、初めてトップ10のないシーズンを送っている深堀圭一郎(57歳)。この最終戦開幕前の賞金ランキングは53位で、6シーズンに渡って守ってきた30位以内の賞金シードは、今年で途切れる可能性が高い。それでも『生涯獲得賞金ランキング上位20名』の権利を行使すれば、来年もシニアツアーにはフル参戦できる。

その深掘が初日、4バーディ・ボギーなしの「68」をマークし、トップとは1打差の4アンダー・2位タイと好位置につけた。「14番と15番でバンカーと左のラフからチップイン(バーディ)2連発です。ツキがありました」と笑顔をこぼす。

前週はシニアツアーを欠場し、スポンサー契約を結ぶ三井住友カードの主催者推薦でレギュラーツアーの「三井住友VISA太平洋マスターズ」に出場。57歳にして予選を通過して4日間を戦い抜き、ホストプロの役割を果たした。

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同じく主催者推薦で出場した宮本勝昌(53歳)は初日、2日目と同組で回り、「深堀さんはシニアの試合のときよりもキレが良かった。不思議でしたよ。深堀さんみたいなパッションでやる人は、ああいう現象になるんだなと思いました。振りもいつもより速かったように見えた。(シニアツアーの)同士として誇らしいというか刺激になりました」と語っている。宮本自身は予選通過ラインに1打届かず、決勝ラウンド進出を逃した。

深掘自身も「気持ちでゴルフをするタイプだからね」と同調する。

そして「今年は調子も良くないし期待はしていなかったんですけど、宮本が言うように気持ちを持ちながら36ホールできた。久々に苦しかったですけど、充実感はありました。ボギー打っちゃったなって諦めるのではなく、悪いながらも積み重ねてゴルフをやって、何かいいものを掴まなきゃいけないというのがありました」と振り返る。

そして、決勝ラウンドに入った3日目には、歴代王者でもある石川遼と同組に。調子が悪いながらもスコアを作るマネジメントが参考になったという。「ちょっと難しいライとかラフに行くと、必ずグリーンエッジにしか打ってこない。『これで届くのかな』という番手であえて打って、エッジから2メートル以内に寄せてパターでしのぐとかね。そういうのを繰り返しているのを見ると、やっぱりゴルフIQが高いなと思いました」。

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ライが悪いときにピンを狙えば、グリーンオーバーして絶対に寄らないアプローチが残ることもある。石川のマネジメントは無理せず安全なところに外しての寄せワン。「悪いなりに成績を積み重ねているのが見えた」という。

また14番パー4では、石川のティショットが右のフェアウェイバンカーへ。「アゴが近くてギリギリ行けるかなというところ」を、無理せず出して、残り70~80ヤードの3打目を2メートルに寄せてパーでしのいだ。レギュラーツアーで解説を務めることもある深掘だが、「中に入った方が感じるものがあった」と、石川のマネジメントから収穫を得た。それが今大会初日の好スコアにもつながっている。

今年の課題は「体の動きが悪かったこと」。

いつもならトップ・オブ・スイングで間を作ってからクラブを下ろせたものを「間を持つ前にドンと下りてきちゃったり、それを怖がって逆に緩んだり」と、武器としていたショットが思うように打てなかった。いまは「じっくりこれを受け止めながら、何かを掴むことを期待しながらやっている」状態だ。

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ただコースで試行錯誤しているだけではない。「柔軟性を出す方法はどれがいいのかを考えていろいろやっています」と、コースに入るまでの準備を工夫するようになった。

その結果、「どれが正解かは出てないですけど、アッというものは少し見えてきた」と来年につながる材料は見つかっている。「今までのやり方ではない体が動く自分に出会える方法」は今後も模索していくことになる。

シードの心配はしなくてもいい立場。だから気持ちはすでに来年以降に向いている。「60歳までは今の飛距離をキープしていたいというのがベースにある。せっかく試合に出るならつまらなくなりたくない。いつか終わりが来るけれど、まず60歳までは自分の体を動くようにしていたい」。

レギュラーツアーを4日間戦った自信を胸に、シニアツアーの最終戦にも熱い情熱をぶつけていく。