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シニアツアー

《いわさき白露シニア》賞金シードに60歳以上の選手不在なら2年連続 63歳・久保勝美は「根性、忍耐、諦めの悪さ」で返り咲きを狙う

2025年11月21日
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2024年は06年以来18年ぶりに賞金シードに60歳以上の選手がいないシーズンとなった。そして最終戦を迎えた今シーズンも、シード圏内の賞金ランキング30位以内は50代の選手だけで占められている。60歳以上の最高位は久保勝美の34位(607万2603円)だ。

「非常に苦しいところですけど、まだチャンスはある。いつも一緒にやっていた田村(尚之)、秋葉(真一)、清水(洋一)、崎山(武志)とか、俺がシードに入って頑張れば少しはあいつらにも良い刺激になるのかな」と、これまでシニアツアーで切磋琢磨してきた60代の仲間たちの名前を挙げて、逆転シードに意欲をみせる。

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現在のボーダーとなる賞金ランキング30位は渡部光洋の656万8826円。予選落ちがないため、最下位でも16万6500円が加算される。「(賞金シード獲得へ)700万円というラインを考えたら100万円は必要。やっぱりベスト10に入らないといけないですね」。今大会の賞金は単独10位で105万円、単独11位で100万円。10位以内を目標に戦う考えだ。

23年シーズンには3日間大会の「コマツオープン」で優勝するなど、60代で賞金ランキング8位に入った。いったい何が変わったのか。「今まではパターを中心にゴルフを組み立てていたのに、それが悪くなりましたね」。2018年には平均パット数1.7461で4位に入ったこともあるパッティングが、今年は1.8477で71位となっている。たった0.1の差だが、18ホールに換算すると、およそ1.8打失っていることになる。それが3日間ならおよそ5.5打。そうなると優勝争いに絡むのは難しくなる。

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「昔は10メートルくらいのパットでも、ポーンと打てばどこからでもOKくらいに寄った。今は1メートルとか1メートル半、強かったり弱かったりズレたりする。ショートパットは外したときに、引っかけたのか、そっちに向いていたのか、読み間違えなのか、自分でも分からないところが出てきた。昔、先輩のパットを見ていて、『何でワンピンのバーディパットをショートしているの?』と思ったけど、今は自分がそういうふうになってきた。だから人よりもパター練習を多くやっている」。

誰もがいつかは訪れる年齢による衰え。60歳を過ぎて今までにないミスが出るようになった。パターを替えたり、グリップや握り方を変えたりと「今までと違った何かをやっていかないと」と、それをカバーするために試行錯誤を続けている。

「いつも言うことだけど、パワーもスピードも精度も若手には敵わないけど、唯一敵うとしたら『根性』、『忍耐』、『諦めの悪さ』。寄せワンでも、難しいパーパットでも諦めずに忍耐と根性で3日間頑張りたいと思います」。60歳以上の選手たちの思いも背負って、久保は初日、9時40分に1番からティオフする。

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