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シニアツアー

《いわさき白露シニア》野仲茂は少ないチャンスでシード返り咲き目前 前週3位と好調も初優勝は来年?

2025年11月20日
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賞金ランキング30位以内のシード権争いにも注目が集まるシニア最終戦の「いわさき白露シニア」。先週まではシード圏外の31位にいた野仲茂(55歳)は、前週の「ISPS Handa シニアクラシック」で単独3位に入って150万円を獲得し、シード圏内の26位で最終戦を迎える。

昨シーズンは賞金ランキング42位に終わり、2020年から守ってきたシードを喪失。今シーズンの出場順位を決める3月の「PGAシニアツアー予選会・最終予選会」では39位に沈み、今季は限られた試合の中で戦ってきた。「シードはなかったけどいいゴルフができていました」と復活シードに手が届きつつある本人の顔は明るい。

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3月に行われたツアー外競技の「神奈川県シニア」では優勝。その権利で得た「ノジマチャンピオンカップ箱根」の切符で、今季のシニアツアー初出場を果たす。その後、主催者推薦で出場した「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」では2位タイ、「日本プロゴルフ選手権」では4位タイと、着実に結果を積み重ねていった。ちなみに、今年出た他のツアー外競技では7月の「オホーツクシニア」で優勝、11月の「多摩シニア」では2位に入っている。

シニアツアーでは10月の「佐世保シニア」、2週前の「コスモヘルスカップ」もウェイティングから出場。それぞれ22位タイ、35位タイと結果は出さなかったが、続くISPS Handa シニアクラシックでは単独3位に入って大きく賞金を積み上げた。今大会もウェイティング1番目で「雰囲気だけ味わって帰ろうかな(笑)」と思っていたところ、伊澤利光が欠場したことで、一昨日の夕方に出場が決まった。このわずか1カ月の間に野仲の状況は大きく改善している。

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出場できる試合が少なく。試合勘をなかなか作れない中で結果を残してきた。それについては「ずっと出ていると流れ作業みたいになっちゃう。たまに出るとそのぶん気合いが入るのかな。そういうので集中力がつながっていると思う」と考えている。

現時点で、賞金ランキング31位の選手とは100万円近くの差がある。結果次第でシード圏外に押し出される可能性はゼロではないが、「よっぽどのことがない限り」26位の野仲が31位以下に落ちることはない。「だからのびのびと」最終戦を戦う構えだ。

舞台となる鹿児島県のいぶすきゴルフクラブはレギュラーツアーでは2004年まで「カシオワールドオープン」が行われていたコースでもある。「広いコースは苦手なんです。振っちゃうからけっこう曲がる」と、飛距離よりも正確性で勝負してきた野仲には、ティショットの狙い所が絞りづらいようだ。

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もうひとつ、野仲が警戒しているのはグリーン周り。「ティフトンが多いから、あれでだいぶ苦戦する。風が強い日はグリーンに乗っても転がってこぼれていっちゃう。そうするとティフトンにハマる」。ティフトンはボールがスポッと埋まりやすいため、アプローチで距離感を出すのが難しいのだ。しかし、「苦手」と言いながらもシニア入りした20年大会では4位タイ、23年大会は5位タイに入っている。

また、レギュラーツアーではプロ19年目の2010年に「関西オープン」で初優勝を飾っている野仲。シニアツアーではまだ優勝はないが「もちろんしたい」と勝利を渇望している。

「レギュラーツアーのときも一度シード落ちしてから優勝している。今回も似た感じで1回シード落ちして、またシードを取って来年。すごい若い選手がどんどん入ってくるから、それまでに1回勝ちたい」。レギュラーでは08年にシードを喪失するも、翌09年に返り咲き、10年に初優勝した。シニアでは昨年シード落ちして、今年復活、そして……良い意味でそのジンクスを崩したい。

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