長年の実績と経験を合わせ持つ68歳以上のベテランプロゴルファー“ゴールドシニア”の最終ラウンドが11月16日に行われた。大会は18名が参加し36ホールで競われた。
'第1ラウンドで70をマークし、最終ラウンドは2アンダー単独首位からスタートした尾崎直道(69)が5バーディ・1ボギーの68とスコアを伸ばし通算6アンダーで2位の近藤に7打差を着けて圧勝。ゴールドシニアの大本命選手が、エージシュートで優勝を飾り大会を盛り上げた。
終わってみれば”ぶっちぎり”のゴールドクラシック優勝だった。尾崎はレギュラー32勝をあげている永久シードプレーヤーで、シニアツアーでも3度の優勝を飾り、これまでも長きに渡りシニアツアーを盛り上げてきた。
大会優勝の“本命”と言われ尾崎は大会に挑んでいた。「ホストプロとして、ゴールドだから楽しめるという感じもある。それは見ていても面白いんじゃないかな」と魅力を話していた。そして最終ラウンドでは5バーディ・1ボギーの4アンダー68をマーク。初日が終わって「エージシュートで優勝しますよ」と、ホストプロは“意識して”宣言通りの見事な優勝を飾った。
尾崎は「最近パッティングの状態が良かったので、優勝争いは出来るかなと思ったんですけど、こんなに気持ちよく勝てるとは思わなかったです」と感激もひとしおだ。
最後も「流れがバーディになったね。ある意味優勝が決まっている気楽さだとも思う」と数々の優勝を経験した尾崎だからこそ、感じる境地がある。
優勝スピーチでは「優勝副賞のオレンジベルトの時計も俺にぴったりの色だしね、ほんとに気分いい。年齢が20歳くらい若い気分。ぜひね、すべてのトーナメントにゴールドの部を入れてほしいよ(笑)。そういう試合があれば、見た目も気分も10歳くらい若返った気分です。ありがとうございます」と言葉も弾む。
今年はシニアツアー7戦に出場しており、最高順位は福岡シニアの23位タイ。2012年にシニア賞金王タイトルを獲得して以降は、賞金ランキング争いから外れている。それでも挑戦を続けているのは、ゴルフが生涯スポーツであり、いつでも仲間が尾崎を待っているからに他ならない。
「昔を思い出させてくれて、優勝目指してやりたいという気持ちになれただけでよかったなと思います。もう少しゴルフを真剣にやろう、という気持ちにもなりますしね」。
ホストプロとして戦い抜いて、久々に気分の良い”優勝”を確かめられた大会。まだまだ競技者だという真剣なまなざしと、優勝を達成した表情は清々しかった。
ゴールドクラシックに出場した最年少68歳の近藤年弘は、日本プロゴルフゴールドシニア選手権上位者として主催者推薦をいただき出場。大会を単独2位で終え、充実した表情が広がった。最終同組でプレーした尾崎直道、髙橋勝成、初見充宣というゴルフ界のレジェンドとのプレーに「思っているよりも、気楽に回れました」と振り返る。
「後半12番で直道さんはOBかもしれないボールが見つかって。そこから4つのバーディを獲ってね、ほんとにあの時に流れを作れなかったら、ダンゴ状態になっていたと思うし。パッティングが本当にすごい。後半全部1パットだったよ。この差です。入る感じがある」とスーパースターとのラウンドを喜んだ。
「ゴールドシニアでみなさんとっても楽しそうにやられてましたし、楽しい気分にさせてもらいました」。年齢に壁のないのもゴルフ、年齢別に戦うのもゴルフ。ISPS の試合を通じ、近藤は垣根をこえて新しい発見があったようだ。
近藤は普段、ラウンドレッスンやインドア練習場でティーチングプロとして働いている。愛知県瀬戸市にある“品野台カントリークラブ”に所属してかれこれ7年。月15から18ラウンドをこなしながら練習に励んでいる。
「このような貴重な試合経験ができて、本当に感謝しています。レジェンドプレーヤーのすごさを肌で感じられました。やっぱりゴルフはパッティングなんですね。また大会に出場できるように。今回学んだことは大きな糧です」と大会2位という達成感に笑顔が広がった。