森永高滝の難グリーンに首をかしげ、ストレスを抱える選手が多い中、中山正芳(57)が第2ラウンドを7バーディ・ボギーフリーの65でホールアウトし、45人抜きの3位まで順位を上げ一気に優勝争いに加わってきた。
上位陣がスコアを落とす中で60台のスコアを出せたのは75名中7人だけ。ボギーフリーは中山と谷岡達弥の2人のみ。グリーンは強い傾斜があり、2段グリーンの上段にピン位置が切られれば、スピンのかかったアイアンショットはグリーンの傾斜にはじかれ、グリーンの下段まで一気に流されてしまうのだ。難グリーンに手を焼いた選手は数知れない。
中山はイン10番からスタート。ショットの調子が良く、ワンピンの距離に着けてバーディを先行させた。パーで凌ぎながら、17番パー3で7メートルの長いパットがはいると、18番で3メートルを沈めて連続バーディ。
後半は5番から3連続でバーディ奪取に成功すると、最後9番では5メートルを丁寧にパッティングし、ジャストタッチでカップインさせた。「こんなに気持ちよく入ったのは久々ですよ」と表情も明るい。
10月の佐世保シニアでも、初日に68をマークして2位と好スタートを切っている。腰痛に悩まされていた中山は、大会直前にギックリ腰を発症。藁をもつかむ思いで、長﨑から福岡まで片道2時間かけて、名医を訪ね治療を受けた。すると「診療10分くらいかな。歩けるようにもなったし、なんとかクラブも振れるくらいまでになった」と脅威の回復をみせ、4年ほど悩んでいた腰痛が解消したというのだ。
「今はなんにも痛くない。不調から何かしなきゃって、トレーニングとかストレッチとか取り組んでいたことを伝えたら『頑張りすぎ』だと言われたくらい。むしろ今はウォーキングしかしなくて大丈夫なんです」。
福岡での治療をきっかけに、それまで生活に占めていたトレーニングにかけていた費用や時間がなくなり、ゴルフに集中できるようになってきたことが好転している。
佐世保シニア以降、まだ直接成績に結び付けられてはいないが、先週のコスモヘルスでは12位で終えられ、ようやく練習の成果も見え始めている。
首位と2打差で迎える最終ラウンドは「優勝は意識していないですけど、1円でも多く稼ぎたいです。2次予選いきたくないから」と賞金ランキング50位以内が目標だ。現時点でランキングは51位と危うい状況を一刻も打破したいところ。
「まあ、明日はのんびりやりますよ」と笑い、手ごたえを確かめるため、ホールアウト後も練習グリーンへ急いで向かった。中山は最終ラウンドで成果を出すことを胸に誓う。