今季シニアツアー「日本シニアオープン」「ファンケルクラシック」で2勝をあげているタマヌーン・スリロット(56)と前年覇者で今季未勝利の増田伸洋(52)が共に68をマークして、首位寺西とは3打差の4アンダー3位と逆転優勝を狙う位置についている。
スリロットはイン10番からスタート。11番でバーディを先行させると16番から3連続バーディを仕留めて、一気にボード上位に名前を出した。ところが後半出だしの1、2番で連続ボギー。「スコアを落としてから、気持ちも落ちた」と残念がるが、ここからが勝負師タマヌーンの見せどころ。5番と上がり9番のパー5で確実にバーディを獲り、優勝を狙えるポジションで初日を終えている。
「グリーンの仕上がりは素晴らしいです。パッティングのタッチも合いますし、鳩山カントリーのコースは大好きです」と白い歯をみせる。昨年大会では68・68で回り通算8アンダー4位でフィニッシュとコースとの相性も良い。
「速いグリーンが好き」とスリロットは言い、キャディを任されている息子のボス(BOSS)くんも「タイのゴルフ場のグリーンみたいですね。父は綺麗なコースで楽しくプレーができている」とにっこりした。
増田伸洋も、ディフェンディングチャンピオンとして負けていられない。
4つのバーディ、そしてノーボギーで上位に入り、大会連覇のチャンスを伺っている。「朝からいくつ打つだろうと思いましたけど、3 ホールぐらい上手くしのぎながらでした。獲りたいところで獲れなかったですけど 、7 番でようやく初バーディがきた」と慎重なゲーム運びだった様子。「8 番も行ってはいけないバンカーに捕まって。ボギーでいいやと思ったらバンカーショットが入ってね、うまいこと 2 アンダーで回れました」とピンチもクリア。
後半もチャンスを狙いながら、スコアを落とすことなくノーボギーで「初日は良いスタートきれました」と胸をなでおろした。
前日のプロアマ大会を終え「バミューダ芝のグリーンのイメージがつかめない」と不安もあった様子だが「うん、結局対策せずにそのまま。色々いじっても入らないと思うしね」と割り切っている。
今回は帯同キャディの小野さんが増田のプレーをサポートするのも心強いはず。千葉県柏市にある増田の実家「双伸ゴルフセンター」に練習にきていたという小野さんは、学生の時に一度、グランディ白河の試合で増田のキャディを務めており、増田とは顔なじみ間柄。「グラファイトデザインというシャフトメーカーの社員ですし、ゴルフには詳しいしね。頼もしいですよ」とパートナーの新顔登場に、増田の人脈の広さを感じさせる。
首位と3打差で迎える最終ラウンドも面白くなりそうだ。