グランドルーキーの奥山克也が71で回り好スタートを切った。「ショットもうまくバーディに繋げられたしパットも良かった」と満足感をにじませ、5バーディ・4ボギーと耐えながらプレーを進めた一日を振り返った。
奥山は「烏山城には38年前に近畿大学ゴルフ部のリーグ戦で来ているんですよ。ただコースは上がりホール以外は全く思い出せない(笑)。こんなに難しいコースだったかなっていう印象」と首をひねるが「とにかく楽しみにしていたグランドデビュー戦をここで迎えられて、初日を良い位置でスタートできた」と充実した表情が広がる。
ゴルフを始める前は野球をしていたという奥山だが「両ひざにメスをいれて、肩も壊して野球を断念。それで大学からゴルフを始めたんですよ。今こうしてゴルフで仕事が出来ているし、良かったと思っています」と身長180センチと恵まれた体格を生かし、ゴルフを続けている。レッスン歴は35年。大阪市内に「リープボックスゴルフクラブ」というインドアゴルフ練習場を運営し23年目になるという。
「この仕事はほんまにやりがいがあります。お客さんとのご縁も嬉しいですし、みなさん本当に熱心で、長く良い関係を続けさせてもらっているんです。この大会の出場も応援していただいて、力になっている」とレッスンで培ってきたことは、良い形でゲームに効用しているようだ。
「もちろん、練習場に良い報告を届けたい。そして12月に控えているシニアツアー予選会に向けてひとつ弾みにしたいです」。グランド入りした奥山の挑戦がいよいよ始まる。
中村安男は3バーディ・2ボギーの71で回り、グランドデビューの大会で3位タイと上位に食い込む実力をみせている。
同組で回った平澤忠明(62)は同じ埼玉地区で活動するプロで、中村にとって練習や試合を共にする良い先輩でもある。平澤は「俺と回るとスコアいいんだよね」と笑い、中村も「安心してプレーできますね。大先輩なので」と相性も良かった。8月に烏山城で行われたシニアツアー1次予選会でも、中村は12位で2次予選会に駒を進めているところ。
先週のティーチングプロシニア選手権では、初日72・最終日79で51位と上位入賞は叶わなかったが、連戦で試合勘を切らさずにグランドシニアへやってきた。
レッスン活動は所属する川口グリーンゴルフの系列練習場で、埼玉県加須市にある「騎西グリーンゴルフ」でスクールを受け持っている。週5日、朝9時から夕方5時まで100名ほどのレッスンを診ているという。「26歳のときからこの仕事させていただいているので、もう35年になりますね。今こうして仲間と競い合えるのも楽しいですし、試合にでることで刺激をいただいています」。
中村のように長きに渡りレッスンに携わることで、数多くのゴルファーにゴルフの楽しさを伝えてきたことは確かな事実。一方でプロとしては自分のゴルフに磨きをかけたい、仲間と真剣勝負がしたい気持ちもわいてくる。「埼玉から一緒に来た高橋正博プロとね、最終組で一緒に戦いたいって言ってたから、それが実現できますね」と笑みをこぼす。
練習場ではレッスンの合間にコツコツと実力を磨き、楽しみにしていたグランドデビュー戦を迎え、最終日最終組に名前を並べることに成功。中村が迎える最終日は、新しい展開が生まれることに期待せずにいられない。