栃木県那須烏山市にある烏山城カントリークラブで開催されている「第14回PGAティーチングプログランドシニア選手権大会」の第1ラウンドは2023年チャンピオンの高橋正博(62)とグランドルーキーの松永圭史(60)が70をマークし首位発進。1打差3位に中村安男(60)と奥山克也(60)が続いている。
高橋正博が大会2勝目を狙い、第1ラウンドで70をマークし2アンダー首位と好位置に着けている。前半2つのバーディを仕留め34でターン。アテストエリアに貼ってある成績シートのトップ予想は3アンダーだったこともあり「絶対に4アンダーで上がる」と気持ちを引き締め後半へ。
ところがスタートホール(本丸1番パー5)では3パットでパー。要所で出鼻をくじかれてしまった。その後もボギー、バーディと繰り返し、後半は結局スコアを伸ばせず2アンダーでホールアウト。トップタイで最終日を迎えるが「悔しいよね」と納得のいくラウンドでは無かったようだ。
それでも「地元埼玉で一緒に行動している中村プロと、最終ラウンド同組でプレーしようと言っていたことは実現できそう」と楽しみも待っており、高橋の表情は明るい。
実は脊柱管狭窄症による坐骨神経痛に悩まされ「手術したほうがいいのかどうかも、悩んでいて」と、不安な気持ちでゴルフに向き合う日々を過ごしている。そんな中、先週のティーチングプロシニア選手権に出場し、118名中87位と不本意な成績ではあったものの「完走できていることも自信になったし、今回は絶対にリベンジしたい」と再起を願うこの試合にかけているのだ。
そしてもう一人、高橋と首位タイに並んだのはグランドルーキーの松永圭史。現在は大阪府にある天野山カントリークラブでレッスンをしている活躍するティーチングプロである。これまで日本プロシニア、日本シニアオープンにも出場経験はあるが、これまでのところ結果は出せていない。
今回はティーチングプログランドシニア選手権の初日に「淡々とやっただけ」と言いながら4バーディ・2ボギーの70をマークし2アンダー首位の位置に着けている。松永はスタートホール(三の丸1番)でボギーにしてしたが、4番で2メートル、9番では8メートルを流し込み前半1アンダー。後半は11番ホールで6番アイアンのショットが左に飛んでしまいボギーにしたが、12、13番で連続バーディと立て直し、その後はパーセーブを成功させ、上がってみれば2アンダー首位タイと好位置に着けられた。
烏山城はグリーンの仕上がりが良く、今週は11フィートというグリーンスピードがでている中で、「同伴プレーヤーに恵まれた」と65歳の先輩プロである近藤順司との組み合わせも、上手に流れを掴むことに成功している。
先週のティーチングプロシニア選手権大会に出場していた松永は、74・74の2オーバー30位タイという成績で本人曰く「惨敗」。それは欲を出さずにチャンスを待ち続けての「惨敗」だった。
だけど今回は初日首位と優勝を狙える位置に着けられた。「練習場で週4日、朝10時から夜8時までレッスンしています。お世話になっている練習場に良い報告を持ち帰りたい」と自分にも期待する。「あとは、淡々とやりすぎるとチャンスを逃すから、そのあたり攻守の見極めができるといい。最終ラウンドはアンダーパーで回ることが目標です」。
ティーチングプロシニアのようにチャンスを待ち続けた「惨敗」はもうしたくない。松永にとって最終ラウンドは、この2週間の経験が試される特別な一日になりそうだ。