栃木県那須烏山市にある烏山城カントリークラブで開催されている「第5回PGAティーチングプロゴールドシニア選手権大会」の第1ラウンドは大谷朗(70)が71をマークして首位に立った。1打差に伊藤正己(60)、さらに2打差の74には水並茂(72)、曽根保夫(75)、大野雅幸(75)が続く。
68歳以上のカテゴリーである「ゴールドシニア」には、元気なティーチングシニアプロが集結。曽根保夫(75)が74ストローク、大野雅幸(75)も74ストロークで回りエージシュートを達成。曽根は「胃を摘出してから10年経って、こうしてエージシュートを出すことができて感慨深いです」と静かに頭を垂れ、心からの礼を示した。
首位に立ったのは大谷朗(70)。「今日はね、久しぶりにまともなゴルフができたよ」と言葉も弾む。今日のハイライトは12番(二の丸3番)ホールでセカンド残り240ヤードを3番ウッドで1メートル強に寄せて2オン・1パットのイーグル。残り6ホールは2パット・パーで凌ぎ続けることができ、1イーグル・1バーディ、2ボギーで「ここ最近ではいちばんショットが良かったね」と気持ちのよいアンダーパーフィニッシュを飾ることができた。
大谷は昨年8月にこれまで住んでいた東京から栃木県大田原市へ移住したという。「毎日畑やってますよ。だからレッスンはしていないんです」と包み隠さずに話し始める。「もともと両親の実家が栃木だったこともあってね、子供のころから慣れ親しんでいた場所だったし、地元みたいなものだったし。家を建てて移住するという夢を、ようやくかなえることが出来たから、毎日がすっごい楽しいんだよ」と声をはずませた。
移住する前は千葉県市川市にかつてあった「サンライズゴルフ練習場」(現在閉店)に長きに渡りレッスン活動を続けていた。その生活から一転、移住を機に畑で野菜を育てながら自給自足という新生活がスタート。さらに「栃木はゴルフ環境もすばらしい」と胸を張る。「ゴルフ場も近いところにあるし安いし。特に今年70歳になったら、もっと安くプレーできるようになったよ」と東京にいた頃よりもゴルフを楽しんでいる様子だ。
「今はかぼちゃもいっぱいできてるしね」と話になれば「どう、にんにくは植えた?」とプロ仲間の浜野治光から声を掛けられ「お互い、百姓仲間なんですよ」と笑い、顔を合わせればゴルフ以外の話題も次から次とわいてくる。
70歳という年齢を迎え「生活が楽しい」と言える姿は人生の達人のようでもある。「レッスン活動は40年近くたっぷりやってきた。その生活があって今があるからね、ゴルフには感謝しています」。夢を叶えた大谷”70歳”は、最終ラウンドでも気張らずに自分のペースでゴルフを楽しむだけだ。