「第21回PGAティーチングシニアプロ選手権大会」の第1ラウンドが茨城県笠間市にある宍戸ヒルズカントリークラブ・東コース(6,681ヤード/Par72)で10月28日に開催された。
澄み切った青空が広がる宍戸ヒルズカントリークラブは、穏やかな風が大会の幕開けを彩り、ティーチングシニアプロの頂点を目指す戦いにふさわしい初日となった。安定したプレーで5つのバーディを奪い、1ボギーに抑えた田辺正之(58歳・勝浦ゴルフ俱楽部)が68で首位に浮上。1打差2位に足立智明(54歳・おゆみ野ゴルフガーデン)が続く。2アンダーに長田幹(52歳・KKGA)、林稔(53歳・フリー)、吉成文伸(59歳・平和台スポーツセンター)が続いている。
田辺正之(58歳・勝浦ゴルフ俱楽部)が5バーディ・1ボギーの68で回り、初日トップに立った。「フェアウェイからアイアンのコントロールができましたし、いやらしいラインのパッティングも要所で決まってくれましたね」とぱっと表情も明るい。
「宍戸ヒルズさんはコースが難しいので用心深く回りましたね。目標は2日ともアンダーパーで回りたい」。決意をにじませるように口元を結んで、明日への目標を立てている。
勝浦ゴルフ俱楽部に所属する田辺は、ゴルフ場が所有している”練習場”と”フィットネス”が同時にできる施設「ゴルフィット」という勝浦市にある屋外200ヤードある練習場で週3回レッスンをしている。自分のラウンドに割く時間は月2、3回程度だが、出場できる試合には積極的に挑戦している。
今年8月の日本シニアオープン最終予選会(千葉CC川間C)に出場した時に「パッティングでひらめいたことがあって、取り組んでみたらスコアがまとまるようになった」と好スコアの要因を明かしている。これまでずっとモヤっと悩んでいたことが、クリアになりつつある。
その悩みとは「実際パッティングの詰めが甘くて、予選通過ができなくて。自分のパッティングについて少し考えるようになってから練習を増やした」といい、「やっぱり考え方なんですね。上手くなりたいから、ドローもフェードも打ちたいけど、どっちも打ててないなら、ひとつのことを極めたほうがいいって思って。そしたらパターに集中するようになって、頭を使うようになって」とパッティングも決まる確率が高くなってきたのだ。田辺はひとつ自分の武器「要所で決められるパッティング」を持とうとしている段階なのだ。
「上手く言えないのですが…今回の試合では”ゴルフへの向き合い方”を試行錯誤してみて、18ホールの流れの中で要所でパターが入ってくれたらなって。それでいいんですよ。全部入らなくていい」と 最終ラウンドに向け、田辺は自分に課した試練に立ち向かう覚悟を決めた。