今季シニア13戦目「福岡シニアオープンゴルフトーナメント」の最終ラウンドが福岡カンツリー倶楽部和白コース(6,588ヤード/パー72)で行われた。午後は一時的に強雨が降ったが、首位6アンダーからスタートしたプラヤド・マークセン(59)が4バーディ・1ボギーの69で回り通算9アンダーで大会連覇に成功し、福岡シニアは3勝目。シニアツアーは今年のノジマチャンピオンカップ箱根の優勝も数え通算25勝目と最多勝利数を更新した。優勝賞金700万円を獲得し、マークセンは賞金ランキング3位に浮上。
最終ラウンドでは70ストロークで回った倉本昌弘(70)と75ストロークで回った高橋勝成(75)がエージシュートを達成している。
マークセンが大好きな福岡シニアオープンで連日首位の座を守り、大会連覇を成し遂げた。初優勝は2022年で大会3勝目。シニアツアーは今季第2戦「ノジマチャンピオンカップ箱根」を含む通算25勝で最多優勝記録を更新した。
マークセンは2016,2017,2018年そして2022年と4度のシニア賞金王であり、昨年は賞金ランキング8位に終わっているが、シニア入りしてからというものトップ5を外す隙がない。
毎年、福岡カンツリー倶楽部での戦いを心待ちにしているというマークセン。「ティーショットが自信を持って打てる」と言わせたコースには、これまで2度の”優勝”を含め良い思い出しかなく、徹底したコースマネジメントも頭に入っている。最終ラウンドはパーオン率も高く、得意のパッティング勝負を仕掛け続けた。
前半4番ホールで宮本と同じく2オンに成功したが、バーディを仕留められずに逆転された瞬間でもあった。しかしマークセンは5番、6番を連続バーディとし1打差をつけてターン。後半は強雨が降った15番を、36ホール中、唯一のボギーにしてしまったが、ただ「優勝」を目指して、最後まで闘志を燃やし続ける。最終18番を迎え「パーでも優勝できるのは分かっていたので、そこまでバーディは狙っていなかった」と振り返り、アプローチはピン奥からの2パットが賢明だと判断。低い弾道のショットで狙い通りのピン奥にピタリとつけ、見事なバーディフィニッシュを飾ることができた。
3度目の優勝は「競っていましたし、天気も悪い中で苦しい優勝でした」とプレッシャーも感じていた。先週のファンケルクラシックでは、3人プレーオフ決戦で、マークセンはプレーオフ2回目でセカンドショットをOBへ入れてしまい、ゲーム・ジ・エンド。「思いだすだけで悔しかったので、そのリベンジのつもりもあります」と振り返り雪辱を果たした形になった。
鉄人・マークセンは来年1月で還暦を迎える。健康にも気を遣うようになったと言い、「ファンケルの時に気づいたのですが、やっぱり睡眠って大事だなと思いました。あとは朝のストレッチをちゃんとやることでリズムを整えています」と意識の変化も感じている。同じタイ出身のタマヌーン・スリロットがファンケルで初優勝を飾り、スリロットも「寝られるときは12時間寝ちゃうときもある」と明かしたこともあり、充分な睡眠は良いパフォーマンスを引き出すことにつながるのかもしれない。
マークセンはストレッチに加え「握力を意識したトレーニングは必ずしています」という。自分のベストな負荷をかけることで、安定したグリップを維持しながらクラブを振ることが出来ているのだ。流れるようなスイングの秘密を、ひとつ教えてくれた。
今後の目標については「毎試合、毎試合ベストを尽くすこと」と語る。「シニア優勝記録の25勝を更新しましたが、まだこれから勝ち続けるつもりなので、25勝は通過点です」と、マークセンがグランドシニア入りをしても、脅威である存在にはかわらなさそう。記録への飽くなき挑戦がこれから始まる。