レギュラーツアーでは「UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ」を含む2勝を挙げている髙橋竜彦(51)が、地元福岡の試合で応援を力に変えて5バーディ1ボギーの68で回り、首位とは2打差5位タイと好位置についている。
2番でバーディが先攻したが3番でボギーに。そのあと5、6番で連続バーディを仕留め後半へ。10番、13番でもバーディでスコアを伸ばしたが、ミドルパットが決まらずそのまま4アンダー68でホールアウト。「最終18番でピン奥4メートルくらいかな、下りのラインはやっぱり打っていけなかった。ただグリーンの仕上がりの良い中で、全体的には良かったです」と1日を振り返った。
髙橋にはスタート前にビックサプライズがあった。昨日ACNツアー「ディライトワークスJGTOファイナル 2025」でプレーオフを制しプロ初優勝した出利葉太一郎が大会を終え、茨城から急遽、師匠でもある髙橋の応援に駆け付けてくれていた。
髙橋は「来週レギュラーツアーが成田であって、出利葉くんの練習を見にいくことにしていて『頑張れよ』『頑張ります!』って会話したばかりだったのに、茨城から福岡へ移動して朝会場にわざわざきてくれててね、ほんとにびっくりで」と今朝の出来事に目を細める。
昨日はACNツアーで優勝した出利葉の様子を、ずっとインターネット中継を見て奥様と一緒に応援していたという。「もうね、ふたりで飛び跳ねて喜んだ。プレーオフにもつれ込んだけど勝てるんじゃないかって。実力的には頭ひとつ出てる」と嬉しさをにじませた。
実は昨年の福岡シニアオープンでは出利葉が髙橋の帯同キャディとして同行。成績は27位だったが、師匠のプレーをそっと支えていた。あれから1年、出利葉もレギュラーツアーで目覚しい活躍を遂げている最中で、9月の日本PGA最終プロテストではトップ通過を果たしていることも記憶に新しく、現在のレギュラーツアー賞金ランキングは55位、ACNツアーは2位、そして米国PGAツアー出場予選会の予選会を突破し、12月のファイナルQSへ進出するまでにゴルフレベルを上げているのだ。
一方で髙橋は、2週間前の佐世保シニアオープンでは4位、先週のファンケルクラシックでは5位と調子を上げており、連戦の中で良い流れを生かしたいところ。「最終日は前半上手くいったら、後半楽しくなるかなと思います。うん、丁寧にやっていきたいと思います」と口元を引き締める。「(首位の)マークセンはおそらく、軽く二桁とかいくと思うし、自分もスコアを伸ばしていかないと」と積極的なゲームも求められる中、攻守の駆け引きが試される1日になる。
アテスト後、出利葉に師匠のラウンドを観戦した感想を聞いてみると「びっくりしました、ドライバーもアイアンショット、すごくよかったです!」とにっこり。「結構チャンスがありましたし、ピンチが無かった」と18ホールのラウンドを絶賛する。
髙橋は「がんばりますよ、太一郎に負けないように」と笑い、「僕に勝つには優勝しかないですよ」と出利葉も反論。今週は「二人で勝負している」という雰囲気がにじみでてきた。