今季シニア13戦目「福岡シニアオープンゴルフトーナメント」が福岡カンツリー倶楽部和白コース(6,588ヤード/パー72)で行われる。レギュラーツアー31勝を挙げている永久シードプレーヤーの片山晋呉(52)が6月のスターツシニア欠場以来、10試合ぶりに出場する。ディフェンディングチャンピオンのプラヤド・マークセン(59)をはじめ、シニア賞金王の宮本勝昌(53)、高橋勝成(75)、尾崎直道(69)、倉本昌弘(70)、田中秀道(54)、深堀圭一郎(57)といったレギュラーツアーで活躍した選手をはじめとするシニア78名、アマチュア45名が和白で頂点を目指して戦う。
またレジェンドシニア12名を迎え「スーパーシニアの部」としてエキシビジョンマッチも同時開催。12名のベテラン選手もプロの技を魅せてくれる。
永久シードプレーヤーの片山晋呉が福岡シニアでいよいよ復活する。
6月のすまいーだカップシニア以来、ゴルフファンの前に"選手"として姿を現した。「骨に菌が入ってしまい、全く起き上がることができない状態でした。退院して1ケ月ほど経ち、リハビリ始めています」と1か月前に自身のSNSで欠場が続いた理由を明かしていた。
「なんとなく、もう出来るかなくらいの感じです。ラウンド自体は、今日140日ぶりくらい。リハビリ後初めて18ホール回りましたよ。ゴルフって難しいですね…本当に。すごい難しいです」と久々のラウンドを振り返る。「ギリギリ今日は18ホールなんとなく回れましたけど、これが力みだしたら無理でしょうね。スイングもですけど、怖さが出ちゃっているから、体をかばいながらやりました」。それでもプロアマ戦ではチームで11アンダー6位。ゴルフを通じてアマチュアとの時間を楽しんでいたようだ。
今年は思わぬタイミングでゴルフから離れてしまった片山だが、こうして出場メンバーに名前を並べ、大会ポスターの主役を飾るスター選手をシニアツアーは待ち望んでいる。大会初日に同組でプレーする宮本勝昌は「良かったですよね。本人は全然ゴルフやっていないって言ってますけど、こうやって場に出てくるということは、ある程度本人も手ごたえ ゼロでは来ないと思いますし。出るからには晋呉も当然優勝を目指してくると思いますし、それで初日一緒に回れるのは楽しみです」と同級生の復活を喜んでいるのだ。
現在賞金ランキングトップを走る宮本勝昌にとって「福岡は好きな場所で、去年の福岡シニア以来、1年ぶりで出場を楽しみしていました」とすっきりとした表情だ。「2 年前は初めてのコースで、手探りなところもありましたけど、今年はまたコンディションが全然違いましたね。グリーンのスピードも今シーズンで 1 番速いのかなというくらい、レギュラーツアー並みにスピードあります。去年までとの比較というか、参考にならないことが多いです」と練習グリーンでは徹底して感覚を磨く。
今シーズンすでに3勝を挙げている宮本だが、一戦必勝の思いは変わらない。「2 日間ですから、まずは初日からたくさんバーディを獲って、攻める所と守る所のメリハリをつけていかないとすぐにボギーが出てしまうコンディションですし。そこはしっかりコントロールしながら、優勝出来る位置で初日を終えたいと思います」と口元をひきしめていた。
前年大会覇者はプラヤド・マークセン(59)。大会2勝目を挙げ、勝利数もシニア最多の23に積み上げ偉業を達成した縁起の良い大会だ。「福岡に帰ってこられて嬉しい」と微笑んだ。マークセンは4度のシニア賞金王タイトルを獲得しており、現在シニア賞金ランキングトップを走る宮本とは約1500万円差がついているが、残り4戦でまだ逆転のチャンスは充分ある。
マークセンは今年の「ノジマチャンピオンカップ箱根」で優勝を飾っており、これまで9試合に出場してトップ10入りが6回。先週のファンケルクラシックではスリロット、宮本と並んでプレーオフで戦っており調子も上々だ。「天気もよさそうですし、試合が楽しみです。今年も頑張ります」。福岡市街が一望できるクラブハウス前の丘の上で、マークセンは練習の手を休め、明日から始まる大会に思いを馳せた。
今年は”福岡シニアオープン”でシーズン最後の試合になるというのが現在賞金ランキング6位につけているシニアルーキーの海老根文博(50)。
昨年はファイナルQTをトップ通過し、今季レギュラーツアーのフルシードを獲得。一方シニアツアー最終予選会では23位だが出場できる試合も多いため、両ツアーのスケジュールをみながら、可能な試合を選択している。スターツシニアで10位に入るとその後公式戦を含む4試合で2位が3回、3位が1回と、両ツアーをこなす若手シニアが頭角を現してきたところである。
先週出場した日本オープンは64位だったが「あれ?っていう感じで終わりましたね(笑)。1年前を振り返るとそんなことは感じなかったのに、レギュラーは自分にとってフィールドが違うなあという感じが最近はしていますね」と苦笑い。
シニアのフィールドにもなじんできたようで、練習ラウンド後も加瀬秀樹、兼本貴司と一緒にパッティンググリーンで教わっていた。「(シニアは)収穫ばかり。いい時間になっています。福岡シニアでとりあえず最後ですが、ペアリングは久保さん、増田さんと明るい先輩方なので初日は楽しそうです。僕はプレー中暗いので、すいません(笑)」と頭をさげながらも、試合は満喫しているようだ。
レギュラーツアーは来週の新規フォーティーネットからカシオワールドと5連戦が待っている。「出場しますよ。”おじさんが頑張ってる”って見てもらいます(笑)。最後だし、悔いなく暴れてきます」と生き生きとした顔つきになる。9月の日本プロシニアから6連戦中、そしてこれから5戦レギュラーで奮闘する海老根にも注目したい。