「第5回PGAティーチングプロ女子選手権大会島津ゴルフ倶楽部カップ2025」の最終ラウンドが鹿児島にある島津ゴルフ倶楽部(5,635ヤード/パー71)で開催された。
2アンダー首位スタートの大村桃葉(RtoLゴルフサポート)が2バーディ5ボギーの74ストローク、通算1オーバーで2位の入江亜衣に2打差をつけて大会初出場で完全優勝を飾った。大会4勝目を狙う高木亜希子は通算8オーバー5位タイで大会を終えている。
雨、風、霧と天気が目まぐるしく変わった最終ラウンド。スタート時の気温計は16度を指していたが、北風が吹きつけ体に冷気が染みわたる。終日大雨という予報の中、コースは霧が立ち込める時間もある中で、選手はプレーの継続を願った。
大村は「あってないような差でしたし、バーディチャンスにつけられたら、しっかりと取らないとスコアは伸ばせられない」と気を引き締めて最終組最後のティーオフを放った。
雨が強くなってきた2番パー4ではティーショットのボールが上がり切らず165ヤードが残る。大きなクラブを持って加減したところちょっと緩んで風に流されてグリーンを外してしまった。ティフトンだとボールが上がりすぎてしまうため、いつもなら60度のウェッジのところ56度を選択。しかしグリーンは水気を含み、ボールはカップに届かずボギーが先行してしまう。
4番パー4でも強いアゲンストの風の中、ドライバーショットはラフへ。ピンまで185ヤードは3番ウッドでも届かず、アプローチは左のグリーン奥にこぼしてしまい寄らず、2つ目のボギーと苦しんだ。
序盤は突風と向き合いながら、少しずつ天候は回復していく。6番で6メートルのバーディも仕留めたが、前半は3つスコアを落とし2位の入江とは差を広げられずに2打差。大村は「アウトは耐えるホールが続く上、序盤から雨風も強くて。パーを獲るのに必死でした。ただゴルフに集中するしかなかった」と振り返る。
後半は出だしから連続で2メートルのバーディチャンスを逃したが、パーオンは確実に成功させていた。15番でバーディ、しかし17番パー3では1メートルを外して3パットボギー。それでも他の選手がスコアを崩す中、大村は最後までパーオンを成功させることに集中し、最終ホールもパーで切り抜けて、初日からの首位を守って女子選手権のタイトルを獲得することができた。
フェアウェイキープは前半3回、パーオンは5回。後半のフェアウェイキープは6回だが、全ホールパーオンに成功している。「パーオンしていれば、トータルヤーデージが長くてもと短くてもスコアは変わらないなって改めて実感しました。これだけパーオンしていても、パッティングが決められていなかったんですね。パッティングの精度が良ければ…もっと余裕を持てて勝てたかもしれません」と学びもある。「あれだけ雨風の中でパーオンできて、それがスコアに直結したのは良かったです」と耐え抜いた一日を振り返る。
大村は師と仰ぐ”クララ先生”に「先生のゴルフは全ホールパーオンしてくるようなゴルフなので、いつも間近にみていることが自然と体に染みついてきているんだなって思いました」と優勝をかみしめていた。
今回は大村にとって初めての鹿児島旅でもあるようだ。「食事が美味しいと聞いていたので楽しみにしていました」と言い、初日は黒豚づくしの料理に舌鼓を打ち、次の日は和食の店で少しずつ薩摩料理を味わい「毎日肉づくしでしたね!ヘルシーじゃないかもですけど、本当に食事は楽しみました」とスマホにもたくさんの料理写真を収めていた。「戻りカツオも、ハンバーグも美味しかったです」と笑顔がこぼれる。
鹿児島の“楽しい食事”がスタミナで、この36ホールも乗り切ってきた。「来年は大会連覇できるよう、プロとして魅せることを意識しながら、これからも自分のゴルフを向上させます」と清々しい表情で優勝トロフィーを掲げたのだった。