
49歳の山ノ下一大が、地元での戦いに意欲を燃やす。2023年にティーチングプロB級会員として入会。鹿児島にある霧島ゴルフクラブに所属し、気づけば26年という月日が経つ。鹿児島で一番古いゴルフ場でもある島津ゴルフ倶楽部とは車で約1時間くらいの距離にあり、島津は競技会開催も多く、山ノ下はこれまで何度もプレーさせてもらっているという。九州サーキット「鹿児島オープン」の会場でもあるということで、鹿児島の選手にはなじみが深い。山ノ下はコースだけでなく、島津のスタッフも良く知る選手のひとりである。
山ノ下にとっては地元開催ということもあり、今年は本戦出場を目標に練習に取り組んできた。第1ラウンドは3バーディ3ボギー、1ダブルボギーの2オーバー73で53位。「パッティングが決められなかったんです。いつもの島津さんのスピードとは違うと感じてしまったら、タッチが合わせられずショートしてばかりで」と悔しがる。「島津のグリーンスピードは特にこの時期は鹿児島随一じゃないですかね」と山ノ下に言わしめるほど普段から手ごわいグリーンだが、今週は降雨もあり水気を含むグリーンがいつもとは違う表情を見せているようだ。

所属する霧島ゴルフクラブでは社員として働き、今では営業課長とキャディマスターを任されているという。「ゴルフが楽しくて好きなので」と長く勤める理由でもある。前PGAの会長でもあった吉村金八を師匠と仰ぎ「霧島のメンバーさんなんです。それと鹿児島プロ研修会でもよく一緒にゴルフをさせていただきアドバイスをもらいました」と関係も良好だ。「だけど、このスコアじゃ師匠に報告できないです。2日分まとめて連絡します」と苦笑い。吉村相談役も愛弟子のことを案じていることだろう。
最終ラウンドに向けて「打つか、それとも伸ばすかだけです。ガンガンやる気持ちで挑みますよ」とにっこり笑い、気合も充分だ。「せっかく地元鹿児島で開催されることですし、何かひとつでも“ティーチングプロ選手権”を盛り上げられるように」という願いとともに、大会への思いを託した。
