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シニアツアー

【ファンケルクラシック/2R】「僕にとっては守り神」 兼本貴司は3連続ボギーで一時後退も、連続バーディ締めで優勝戦線にカムバック!

2025年10月18日
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初日に5アンダー・3位タイと上位で発進し「今年はショットがなかなか直らなくて、波が激しいゴルフであまり期待していないです」と言っていた兼本貴司(54)。2日目は13番ホールのティショットで「チョロっぽいスライスが出た」というミスから、3連続ボギーを叩き、一時は大きく後退する。「ここで引いたら上位はない」と切り替え、上がり2ホールで連続バーディを奪取。トップのタマヌーン・スリロット(タイ・56)とは1打差のトータル7アンダー・2位で最終日に進む。

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兼本の武器は圧倒的な飛距離だろう。ドライバーはキャリーで300ヤード飛ばすこともある。宮本勝昌(52)はメジャー3勝で米シニアツアーでも飛ばし屋で鳴らすパドレイグ・ハリントン(アイルランド)に重ね、兼本のことを“日本のハリントン”と呼ぶ。それだけにティショットの出来が結果を大きく左右する。ドライバーがコントロールできているときは爆発的なスコアを生み出すが、今季はショットが不調に陥り、11試合に出場してトップ10は1度だけ。22年には3位、24年には4位だった賞金ランキングも、今季は現在36位と苦しんでいる。

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ショットが好転するきっかけが掴めないまま、シーズンも終盤を迎えたが、「昨日ちょっと伊澤(利光)さんに助言をもらったんです。それもあって大きいフックが少し落ち着いたのはある」と明かす。13番、14番、15番の3連続ボギーで迎えた16番パー4では、「スコアが良かったらアイアンで打っている」というティショットで果敢にドライバーを握ってフェアウェイを捉え、最後は2.5メートルのパーパットをねじ込んで悪い流れを断ち切った。

すると、17番パー3では8番アイアンで1.2メートルにつけてバーディ。最終18番パー5ではティショットで327ヤード飛ばし、グリーンを狙ったセカンドショットは右のガードバンカーに入れるも、それを1メートルに寄せて連続バーディで締めた。

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この囲み取材中には、中継の解説を務める中嶋常幸が通りかかり、「17番、18番良かったな。全然表情が違うから。頑張ってな」と声をかけるシーンも。これに対し兼本は「ありがとうございます」と笑顔で答える。

レギュラーツアー時代、中嶋と兼本はよく一緒に練習ラウンドをする仲で、不調のときにはアドバイスをもらっていた。「今は父離れしないと(笑)。自分でできることは自分で解決して、どうしようもなくなったら頼ろうという感じです。今シーズンは本当にひどいという状態ではないので、自分で結論を出さないと次がない」。

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たとえ直接指導を受けなくても「解説で見てくれているから僕にとっては守り神です」と、中嶋がそばにいるのは心強い。そして、「優勝はまだ先だろうと思うけど、頑張れれば良いかなと思います」と、今できるベストをぶつけていく考えだ。「球が落ち着いて飛べばチャンスは出てくるかもしれない。曲がり幅が大きいと優勝争いは全然ダメ」。解説席の中嶋をうならせるドライバーショットが打てれば、シニアツアー3勝目に近づきそうだ。

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