
シニアツアーでは選手として、レギュラーツアーでは日本ゴルフツアー機構の副会長として二足のわらじを履き、忙しい日々を送る倉本昌弘。9月に70歳の誕生日を迎えた現在も、シニアツアーではここまで全試合に出場する鉄人ぶりを見せている。しかも、ただ出るだけではない。今大会の初日は7バーディ・2ボギーの「67」で、シニアツアーでは今季4度目、通算16度目のエージシュートを達成し、首位と2打差の5アンダー・3位タイで滑り出した。
レギュラーツアーで通算30勝、シニアツアーで通算8勝を挙げたパワーとテクニックは今も健在だ。70歳にしてドライバーでは280ヤードに届くことも。この初日は53歳の横田真一を何度もアウトドライブした。また、ティショットが打ち下ろしとなる14番パー4ではドライバーでライン出しショットを放ち、「ここはバーンと打てるところと打てないところの差が激しいので、打てないところは打てないなりにやっていくしかない」と、メリハリをつけたコースマネジメントが光った。
軽快な語り口と背筋をピンと伸ばして歩く姿は、とても70歳とは思えない。今大会の主催は化粧品・健康食品を販売する『ファンケル』にちなんで、若々しくいられる秘訣を聞いてみた。

「健康でいられるか、いられないかは、みんながよく分かっているように、節制できるか、できないかだけ。食事もそうだし、トレーニングもそうだし、いろんな意味ですべてが節制できれば健康でいられる」。
倉本が普段の食生活で気を付けているのは塩分。「塩分を摂り過ぎると、体がむくんじゃうから良くないし、成人病にも決して良いわけではないので、家ではほぼ減塩で生活しています」という。
トレーニングでは「週1回のペース」でジムに行って1時間以上は体を動かす。そして時間さえ許せば、「階段を歩くとか、タクシーに乗らずに歩くとか」と普段から足腰に刺激を入れることを心がけている。
2019年の「スターツシニア」以来となる6年ぶりの優勝が狙える位置で週末に進むが、「優勝なんて無理に決まっている。グランドシニア賞を取るのに頑張ります」と、60歳以上に設定された『グランドシニア特別賞』(1位は150万円)に狙いを定めている。現時点での60歳以上の2位は、21年大会覇者でもある田村尚之(61)の2アンダーで、倉本とは3打差だ。
「エージシュートは別に何回もできる」と簡単に言い放つ70歳は2日目、最終組1つ前の組からスタートする。