
「ファンケルクラシック」はシニアツアーで唯一、チューズデートーナメントが行われる。チューズデートーナメントとは、大会同週の火曜日に行われる予選会のこと。レギュラーツアーでは月曜日に行われるため、マンデートーナメントと呼ばれている。99名ものシニアプロが参加したチューズデートーナメントで、上田諭尉は後続に4打差をつける6アンダーを叩き出してトップ通過。8枠しかない本戦切符を勝ち獲った。
レギュラーツアーで1勝を挙げた上田は、昨年3月に50歳の誕生日を迎え、10月の「コマツオープン」でシニアデビュー。昨シーズンは3試合の出場にとどまったが、2度のトップ10を記録した。そして今年3月の2025年度のシニアツアー最終予選会では42位に終わり、「出られる試合で頑張るという感じ」と、今季もなかなか試合に出られない状況が続いている。

今季はここまで4試合に出場して9月の「日本シニアオープン」の15位タイが最高成績。『上位15位』の資格で来年の日本シニアオープンの出場権を確保し、「それだけでいいかな」と、試合に出られない中でも成果を感じている。そんな中で今週は本戦出場のチャンスを掴んだ。
実はチューズデートーナメントではトラブルもあった。
前週の「トラストグループカップ 佐世保シニアオープン」(10月11~12日)に出場した後に送ったクラブが、長崎から会場がある静岡に届かず、「スペアのクラブしかなかった」という。パターだけは持ち歩いていたのが不幸中の幸い。それでも13本を入れ替えて霧雨が降る裾野カンツリー倶楽部を回った。

信頼するクラブがない状況で「落ちてもいいと気楽にやったら良いスコアが出た。メンタルだと思った」と、開き直ったことが好結果につながったようだ。また、裾野CCグリーンはラインを読むのが難しい。上田も「全然読めない」と苦手にしている。それでも火曜日は朝露によって、前の組で打った選手のボールの軌道がくっきりと残っていた。「こんなに切れるかなと思って、半信半疑で打ったら入った」と、運も味方につけて「66」のラウンドにつなげた。

また、昨年までは少しぽっちゃりしていた上田の体型が、かなりスッキリとして見える。「8キロ痩せましたね。生きた乳酸菌を飲み続けたら腸内環境が良くなって、適正体重になりました」と明かす。昨年10月から飲み始めた乳酸菌(1カ月分で33,000円)により、84キロあった体重は8カ月ほどで76キロまで減少。今年2月に受けた健康診断では、血液検査の数値がすべて正常値に改善した。しかも、「食生活は何も変えてない。ラーメンも食べるし酒も飲んでいる」というから驚きだ。

いよいよ明日初日を迎える。「目指すものは高く。チューズデー優勝で、本戦でも優勝できたらかっこいいね(笑)」。昨年大会は宮本勝昌が「66」「69」「68」と、ひとりだけ3日間とも60台を並べてトータル13アンダーで優勝している。火曜日の勢いがあれば、もしかするともしかするかもと、わくわくさせてくれる選手のひとりだ。