
「第12回トラストグループカップ 佐世保シニアオープンゴルフトーナメント2025」が長崎にある佐世保カントリー俱楽部(6,688yard/パー72)で開催される。出場選手は伊澤利光、尾崎直道、倉本昌弘、鈴木亨、田中秀道、水巻善典、横田真一といったシニアプロ80名と予選会を勝ち抜いた42名の計122名が真剣勝負で競い合う。またレジェンドシニアプロ選手には海老原清治、須貝昇、友利勝良、中村通、山本善隆をはじめとする11名の”スーパーシニアの部”も同時に開催され、ゴルフファンは50歳から82歳まで幅広いシニアプロの技を、佐世保の地で堪能することができる

大会の舞台となる佐世保カントリー俱楽部は、美しい山々と九十九島を望めるローケーションに位置し1957年に名匠・上田治氏の設計で開場したチャンピオンコースである。飛距離のある選手が有利というわけではなく、先週には巧みな戦略性と技のバリエーションが求められる。またクラブハウスは54年ぶりにリニューアル工事をしており、来春には新たな姿でゴルファーを楽しませてくれるという。

今年は賞金を500万円増額していただき、総額2500万円、優勝賞金は500万円と2日間大会としてグレードアップした。それは「地域貢献・社会貢献・シニア応援・ジュニア育成」という大会理念に、さらなる熱量を注ぐものになる。
"ジュニア育成"活動のひとつとして、10月9日に地元佐世保市春日小学校でシニアプロとの交流の場を設けた。スナッグゴルフやトークショーを通じ、ゴルフの魅力を伝える活動を行った。シニアプロは奥田靖己、加瀬秀樹、水巻善典という大ベテラン。ゴルフ未経験の子供たちも、穏やかでテンポのよいプロの話ぶりに、目を輝かせていたようだ。


昨年大会は、初日64ストローク、最終日には66ストロークで回り通算14アンダーで韓国出身のソク・ジョンユル選手が2位のプラヤド・マークセンに3打を着けて優勝、シニア2勝目を飾っている。今年はこれまでスターツシニア(5T)とIASSシニアプロアマ(2T)で2度のトップ5入りをしており、賞金ランキング15位と好調をキープ中。
本戦に向けては「今年はメンタル的にも疲れているんです。ルーキー選手がでてきたりして、プレッシャーもかかります。それに加えて、左肘も痛めていて、(連勝は)厳しい状況ではあります」と弱音を漏らす。それでもコースとの相性は抜群なので「ウェッジが大事。長いショットは落としどころも難しいですから。調子はいまいちですが、トップ10目指していきたい」と前を向いた。

2023年大会覇者の塚田好宣は、今年でシニア7年目を迎え「あっという間ですね、もう中堅という立場」とにこやかに微笑む。それにしても今年は"つかちゃん"こと塚田が話題に取り上げられる機会が少なくなった印象だ。今年は休むことなく全11試合に出場しているが、賞金ランキングは50位と低迷中。相性の良い大会で調子を上げたいのが本音だ。
「ほんとうは”夏”が好きですけど、前半はスケジュールが空くところもあるので、ペースに乗れていなかった感じもあります。これから試合が詰まってきていることもあり、まずは無理せずに丁寧にいければ」と前向きな気持ちをみせている。
塚田は今夏、腕に負荷がかかりすぎて腕全体に内出血が広がる症状が出たという。練習もままならなかったが、9月は暑さの厳しい公式戦連戦を乗り切り、ようやく症状も落ち着いてきたところ。塚田にとって「佐世保は大好きな場所。仲良くさせていただいているメンバーさんと、一緒に美味しい食事をいただくのが一番の楽しみです。もう一回、目の前で勝ちたいです」と、この地で恩に報いることのできるチャンスが到来している。
