
2021年にシニアツアーに参戦してから何度も優勝争いに絡み、2位を5回経験している飯島宏明(54)。しかし、ツアー初優勝にはあと一歩が届かずにいる。この「コマツオープン」でも2023年大会では1打差の2位タイだった。そして今週、2日目を終えて1差3位タイと、再び初優勝に手が届きそうな位置で残り18ホールを迎える。
2日目は3アンダー・11位タイからスタート。前半で6つのバーディを奪って、一気に優勝争いに顔を出す。後半は2つのボギーを叩くも、それを上回る3つのバーディを奪って、この日のベストスコアとなる「65」をマーク。「みんなパターが入っちゃいました」と4番パー4では10メートルのロングパットを決めたのを筆頭に、5メートル前後のバーディパットが「ボコボコ」とカップに沈んだ。

パッティング自体は「特に変えてない」が、カップに合わせるとき目安にするボールに引く線を「1本から5本に」増やした。理由は「その方がボヤッとしていいかなと思って、やってみたんです」と話す。
同じようなことは過去にもある。昨年のシニア最終戦「いわさき白露シニア」では、眉毛のように太いラインを1本引き、「線が細いとすごい神経質に『ちょっと左向いているな』とか気になったりするんですけど、太いとアバウトに置けるので何か落ち着いてできるんです」と、線の入れ方をかえて、今週のようにパットを決めまくった。
そのときは賞金ランキング31位でシード圏外にいたが、最終戦で8位タイに入って、ギリギリの賞金ランキング30位で4年連続でシードを手にしたのだ。

飯島の今年の賞金ランキングは8位(946万9666円)で来季のシード30位以内をすでに確定させている。あとは初優勝を目指すのみ。今シーズンの飯島の平均パット数はツアー全体2位で、「パットはすごく距離感が合っているのでストレスなくやれている」と、今週のグリーンにタッチが合っているのは大きなアドバンテージだろう。
「気持ちが弱いところがあるので、そこを強く持って明日は攻めていきます」。もう2位はいらない。今度こそ悲願の初優勝をつかみ取りたい。
