
「ずっとショットが悪くて…ここはあまり得意ではないし」。開幕前はネガティブな材料ばかりだった秋葉真一(60)だが、大会初日は5バーディ・1ボギーの「68」でまとめ、首位とは4打差の4アンダー・8位タイと、まずまずのスタートを切った。
「コマツオープン」は今年で10回目の出場。2017年に7位タイに入ったのが唯一のトップ10で、直近の4年は40位以内に入ったことがなく、「ティショットをビビり始めたらすごく狭く感じる」と、小松カントリークラブを苦手としている。
しかも、「左を嫌がって右にばっかり行っていた」と、9月に入ってショットは絶不調。3週前の「IASSシニア・プロアマ」こそ今季最高の22位タイに入ったが、その後、「日本シニアオープンゴルフ選手権」と「日本プロゴルフシニア選手権」の2つのメジャーでは、予選落ちしてしまった。

それが昨日の朝、たまたま練習場にいた加瀬秀樹(65)にレッスンしてもらったところ、ショットが上向きに。悩みを相談して「スライスっぽく打つようにしたら少し良くなった」という。そのイメージを今日のスタートホールで実践したところ、「良い方にショットが出た」と、それまでの不調が嘘のように、1番ホールから2連続バーディ。6番、7番でも連続バーディを奪って4アンダーで折り返した。
しかし、後半に入ると伸び悩む。12番をバーディとして一時は5アンダーまで伸ばしたが、「後半は少し守りじゃないけど、15番くらいからバタバタしちゃった」と、15番でこの日初めてボギーを叩き、そのまま4アンダーでホールアウト。「でも不得意なコマツで初日がこれなら上出来です」と本人は及第点をつける。

秋葉は昨シーズン、賞金ランキング58位で同30位以内の賞金シードを落とし、今年3月の「PGAシニアツアー予選会・最終予選会」では51位に沈んだ。限られた出場機会の中で戦っている。現在の賞金ランキングは79位(106万7536円)でシード圏外。このあとの6戦のうち、2試合の出場しか決まっていない。だからこそ、シニアツアーで賞金総額が2番目に高い今大会で上位に入っておきたいところだ。
「シードを目指して少しでも上積みできればいいかなと思っています」。優勝すれば無条件、単独2位でも560万円が加算され、昨年の賞金ランキング30位のボーダーライン、558万7269円に届く。また、30位に入れなくても50位以内なら、12月に行われる2次予選会をパスして、来年の最終予選会に進むことができる。明日以降は「(今日の)前半の良い感触を取り戻してやりたいです(笑)」と、せっかく掴んだ復調の糸を離さずに、シード復活へ望みをつないでいく。
