
「コマツオープン」初日の競技が終了。宮本勝昌(53)が11番からの5連続を含む9バーディ・1ボギーの「64」を叩き出し、8アンダーで単独首位発進を決めた。宮本が初日をトップかトップタイで終えるのは、優勝した7月の「倉本昌弘INVITATIONAL THE EAGLE GOLF シニアオープンチャリティートーナメント」以来、5試合ぶりとなる。
2打差の6アンダー・2位タイグループで現在賞金ランキング1位の岩本高志(50)、前年覇者の平塚哲二(53)、2015年大会覇者の崎山武志(62)の3人が続く。そして、5アンダー・5位タイには、崔虎星(52)、横田真一(53)、寺西明(59)、4アンダー・8位タイには秋葉真一(60)、斎藤光博(51)、柳沢伸祐(59)がつけている。

コマツオープンは宮本にとって、2022年にシニアデビューを飾った思い出の大会でもある。当時はレギュラーツアーのシード権も保持しており、デビューVが期待されたが、優勝した深堀圭一郎とは5打差の7位タイに終わった。そのとき、深堀とは初日に同組で回り「『あんなに緊張しているトメ(宮本の愛称)の表情を初めて見たよ』っていうくらい体も動かなかった。それと比べたら成長したな」と笑う。
ルーキーイヤーの22年こそ優勝できなかったが、23年、24年と3勝ずつを挙げて2年連続で賞金王を戴冠。ここ2年はシニアでは敵なしの状態と言ってもいい。初日にビッグスコアで飛び出すのも、宮本の勝ちパターンの1つとなっている。
ところが今年は例年とちょっと違う。今年もすでに2勝を挙げているが、夏以降に調子を落とし、賞金ランキングは現在3位。トップの座はルーキーの岩本に明け渡している。2週前の「日本シニアオープン選手権」では優勝スコアと11打差の10位タイ、前週の「日本プロゴルフシニア選手権」では9打差の15位タイと、優勝争いに絡めなかった。今日の8アンダーについても「アグレッシブなゴルフができる状態ではない」と、好スコアとは乖離した答えが返ってきた。

「日本シニアオープンと日本プロシニアは、いつものように1日1日、1ホール1ホール、1打1打に集中していたつもりだったんですけど、どこかで日本タイトルとか頭にあって、上手く自分をコントロールできなかった。イライラが続いてどんどんどんどん悪い方へというパターンでした。早く脱却したい意味もあって、今日はそれを心がけたら、たまたま良いスコアになった。100点以上のゴルフができました」。
宮本のゴルフについて、一緒に回った横田真一は「安全運転。無理を一個もしていないで8アンダーだからね」と舌を巻く。その意味を宮本に聞くと「横田さんがセーフティと言っていただけで、僕の中でセーフティというつもりはないんです。ボールを打つ作業でスイングスピードを落としたり、強引には行かなかったり。調子が良くないから、前のめりになるというか、手綱をしっかり引いて、オーバーペースにならないようにとか、そっちばっかり気を付けていました」と説明する。
ショットが上手くいかない中でも、卓越したコースマネジメントで宮本が優勝するシーンをこれまでに何度も見てきた。今日のような1打1打を「より大事に丁寧に打つ」ゴルフができれば、今季3勝目が近くなるはずだ。

■6アンダー・2位タイ 岩本高志(現在賞金ランク1位)
(ルーキーシーズンで初めてのコースが多いが)練習ラウンドでしっかりコースチェックしているので、それが生きています。
先週の(日本プロシニア)の最終日は(75で)本当に悔しい思いをしたので、ショットの修正はできたかなとは思います。
残り2日間も伸ばさないといけないと思うので、しっかり取れるところを取って、我慢できるところは我慢してというプレーをしたいです。


■6アンダー・2位タイ 平塚哲二(前年覇者)
宮本は8アンダー? すごいな。
(5アンダーの)前半はスッといけたんですけど、(1アンダーの)後半はティショットがいまいち良くないし、ショット全体が良くなかった。アイアンもブレていましたね。今から少し調整します。
明日(2日目)いい位置にいたら頑張ろうと思います。そうじゃなくても頑張りますけどね(笑)。OBを打たなかったらいけると思います。


■5アンダー・5位タイ 寺西明
まさかの腰痛で棄権する一歩手前。今も痛いんですけど、スイングで無理せずゆっくり回ったら良い感じでした。
でも痛みで左足上がりとかツマ先上がりのライは打てないので、そこはちょっと苦労しました。
先週の日本プロ(6位タイ)、その前の日本オープン(8位)と調子が上がってきているので、今週は狙っている。
当然勝ちに来ています。腰がこんな状態なので、治療して明日に備えます。
