
「PGAジュニアゴルフ選手権 太平洋クラブカップ」が栃木県にある太平洋クラブ・益子PGAコース(男子7,009ヤード/パー71・女子6,410ヤード/パー71)にて、最終日となる24日は順位決定戦が実施された。
競技方法はスクランブル方式のポイント争奪戦。ポイントはスコアで勝ったホールに3ポイント、負けた場合は0ポイント、引き分けは双方1ポイントとなる。8ペアがそれぞれ獲得した合計ポイントがチームポイントとなり、ポイント数の多かったチームが勝利する。ペアごとの対戦の勝敗数ではなく、チーム全体の8ペアで挙げた総ポイントで争った。
優勝決定戦は関東と中国の対戦となり、関東が前半からリードを奪い、後半もポイント重ねて196pt獲得。中国は151ptを獲得したが、大差で関東が2年ぶり3回目の優勝を遂げた。
***対戦結果***
優勝決定戦 関東 196pt 中国 151pt
3位決定戦 関西 177pt 中部 174pt
5位決定戦 九州 184pt 東北 166pt
7位決定戦 四国 194pt 北海道 164pt
***最終順位***
優勝・関東、2位・中国、3位・関西、4位・中部、5位・九州、6位・東北、7位・四国、8位・北海道

関東は1日目を8地区最小ストロークの490を叩き出したオーダーを変更せずに優勝決定戦に挑んだ。初日を終わって山下雅之コーチは「夜のミーティングで再度気合いを入れ直す」と話していたが、橋本賢一監督との話し合いで明日の戦いは選手に任せることになり、選手とのミーティングは実施されなかった。最終日はポイント争奪戦となり、1日目のストローク戦から戦い方が変わることで新たなスタートとなる。昨年のリベンジそして優勝を目指すために集められたメンバーには、監督コーチによる全体ミーティングはいらないと判断させる1日目の戦いぶりだったようだ。

1番ホールからスタートした優勝決定戦は最初に女子ペア対決、次に男子ペア対決となる。前半9ホールを終えてリードしたのは関東。女子ペアが4組全てでリードし、男子ペアも1組ポイントでリードを奪われたが、前半を終えて関東102pt、中国72ptとなった。後半も女子ペアは順調にポイントを獲得し、男子ペアも粘りを見せて、全女子ペアと男子ペア2組が勝ち越し、196pt対151ptで関東が2年ぶり3回目の優勝を飾った。

伊藤愛華(埼玉栄高)、戸高玲奈(ルネサンス高)に話を聞くと「女子の選手は今年はとても仲が良くて、ペアも自分たちで話しあって決めました。2日間とも楽しくプレーできました。実は昨夜女子8名だけでミーティングもしました。今日の結果はそのおかげもあります」。女子ペア全勝の秘密は仲の良さと、それによって生まれた自主的に行ったミーティングにあったようだ。
関東の橋本監督、山下コーチも「女子選手たちがここまで強いとは思っていなかった」と話しており、昨年7位という関東としては不本意な結果のリベンジに貢献したのは女子選手たちで活躍があった。最小ストローク、最多ポイントと2日間通じて強い関東を見せつける2025年大会となった。

表彰式の中上PGA副会長挨拶にもあったように、本大会はゴルフ通じた人間形成を目的に開催している。選手同士がコミュニケーションを図り、チームプレーを通じて成長する姿が見られた。多くのジュニア大会はストローク重視で争われるが、PGAジュニア選手権はペアで戦い、チームに貢献することが求められ、他の競技とは一味違う魅力がある。

太平洋クラブ河本副社長は「大会の運営費には太平洋クラブのメンバー及びゲストからコースをプレーすること納められる太平洋クラブジュニア育成協力金の一部が充てられております。太平洋クラブジュニア育成協力金が大会の主旨であるゴルフを通じた人間形成に少しでも役立ってほしいと思っております。また選手みなさまの将来については、ゴルフ業界でも他業種に就いても、特に夢を持って、夢に向かって努力してほしい」と今後の活躍に期待を込めた。本大会はゴルフを通じて子たちたちの夢をサポートするという位置づけでもある。
