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シニアツアー

【日本シニアオープン/2R】スリロットが唯一のノーボギーゲームで66をマークし10アンダー単独首位に

2025年09月19日
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「第35回日本シニアオープンゴルフ選手権」の第2ラウンドが9月19日に相模原ゴルフクラブ東コース(6,997ヤード/パー72)で開催され、4アンダー5位からスタートしたタマヌーン・スリロットが6バーディ・ボギーフリーの66で回り、通算10アンダーまでスコアを伸ばし単独首位。2位8アンダーにプラヤド・マークセン、3位7アンダーは若手シニアの海老根文博と太田祐一がつけている。148ストローク、4オーバー60位タイまでのプロ65名とアマチュア2名が決勝ラウンドに進出した。

タマヌーン・スリロットは2019年に日本PGAの最終プロテストに合格し、2020年に入会を果たしたが、ちょうど新型コロナ感染拡大の影響を受け、来日は2023年に持ち越された。同年のシニアデビュー戦「日本プロゴルフシニア選手権」では初優勝という快挙で、見事なパフォーマンスを披露した。

スリロットはパットの名手としてアジアンツアーでも有名な選手だという。昨年のシニアツアーではパーセーブ率ナンバーワン。今年はこれまで出場している全4戦でもパーセーブ率を2位とし、安定したゴルフが出来ているというお墨付きの選手である。それはスリロットがゴルフの腕を磨いたタイ地元のコースが海軍の保有するゴルフ場で、強い芝に対する瞬時の判断力がついたことにも起因しているといい、周囲は“動物的な感覚はピカイチ”とパッティング力を評価する。

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それにしても、ほとんどの選手が苦戦を強いられた第2ラウンドで66をマークし、ボギーフリーという実力を知らしめたことに、だれもが驚きを隠せない。スコアメイクの裏にはまずは”フェアウェイキープ”を心がけたことにあるようだ。

スリロットは「今朝から雨の天候を心配していて、朝ピン位置を見たら、難しいポジションでした。だからフェアウェイキープは絶対。それがいいスコアにつながりました」と振り返る。スリロットの作戦はティーショットのクラブ選択にある。第2ラウンドではドライバーを使ったのは5回だけ。あとはレスキューを選択し、冷静にしのいできたのだという。「400ヤード前後のミドルホールは、飛ばしてラフに入れるよりもレイアップ的に打ってセカンドで狙うようにした」という意識もスコアを伸ばせた要因でもあったのだ。

パッティングも要所で決められた。最難易度の9番では5メートルのパーパットをきっちり沈め、テレビ中継で解説を務めているレジェンドプレーヤー青木功から「ラインはしっかりと読めている自信あるパッティングだ」と実況されていた。

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全体を通してピンチは最終18番ホールのティーショットだけ。バンカーにつかまったセカンドショットはあご近く。上手くフェアウェイに出してパーセーブを狙い、崩れることなくスコアを叩き出したのだ。

またスリロットの強みは“攻める”姿勢で爆発したスコアを出せること。日本シニアツアーの合間には母国に帰り、タイシニアツアーに参加しているのだが、直近では8月上旬の「タイプロゴルフ協会タイチャンピオンツアープロゴルフトーナメント」で64-48-63と強さを示し2位に4打差を着けて優勝。今年のタイシニアツアーでは7戦中5勝を飾っている。

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また息子がキャディを務めていることも、スリロットにとって励みにもなっている。「家族がそばにいる安心感があります。判断に迷ったときは、彼の一言で自信が持てるんです」と笑顔を見せる。初優勝を飾った日本プロシニアでは、奥様のタナポーンさんが帯同キャディを務めており、「勝利の女神」と表現。家族を大切にするのもスリロットの強さである。

家族にたいしては決して怒らないという優しい“タマヌーン”パパも、仕事場のゴルフ場では強さをみなぎらせる。昨年の日本シニアオープンでも二日目に66をマークし、脅威の存在でもあった。今年の決勝ラウンドではどんなプレーを見せてくれるのかに注目が集まる。

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