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シニアツアー

【日本シニアオープン/2R】プロ10年目の歴代チャンピオン寺西明は連日のアンダーパーで7位に浮上 「感謝しかありません」

2025年09月19日
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2020年大会のチャンピオン、寺西明(59)が3バーディ・1ボギーの70で回り、連日のアンダーで通算4アンダーとし7位に浮上。「ずっと我慢の続いたラウンドでした。調子は悪くないのですが、内容がいまいち」とぱっとしない様子。

予選ラウンドでは2番目に難易度が高いのが12番パー4(458ヤード)。距離が長い上、難所はティーショット落としどころのフェアウェイ幅の約22ヤード。寺西はフェアウェイの真ん中にボールを置き、セカンドを5番アイアンで狙ったが、なんとグリーン手前の木に当ててしまい意気消沈。出場選手の半数がボギー以上のスコアだという難ホールで、寺西は唯一ボギーを叩いてしまったものの、アンダーにまとめて決勝ラウンドに進出を果たした。

「ティーショットがいまいち…それだけなんです。パッティングはだいぶ自分の感じが戻りつつあります。今週から使っている新しいパターも馴染んできて、ここまで凌いでこられています」と前を向く。


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実は1年半ほど前、寺西のエースパターのシャフトが輸送中に歪んでしまって以来、何やってもパッティングがダメになってしまったという。「それまで生きていた感覚が、すっかり変わってしまったんですね。どう転がしてもだめで。僕の”出玉を出す”感じや”スピードのイメージ”がなかなか戻らなかった」とやりきれない時期が続いていた。

「プロとしては非常に大事にしている部分ですよね。僕の場合は若い頃にビリヤードしていたから、球のコントロールは瞬時に、繊細にわかってしまう」とプロ級の腕前だったという寺西だからこそ。自分の感覚を取り戻そうと納得のいくまで試行錯誤して、ようやく今週手ごたえを掴みつつあるのだ。

「それと師匠の高橋(勝成)さんと一緒のペアリングにしていただいて、本当に嬉しかったですし楽しい 2日間でした。大会のみなさんには感謝しています」と敬意を表した。今回の日本シニアオープンでは、髙橋が大会最年長出場である75歳44日を記録。レギュラー10勝、シニア13勝、グランドシニア2勝、ゴールドシニア4勝と数々の名勝負をみせているベテラン中のベテランなのである。

「髙橋さんにとっては悔しいし、いいかっこ見せれなかったというのもあるでしょうけど、僕らはご一緒させてもらって学ぶべきことが、たくさんあります。素晴らしいプレーヤーだし、僕たちのあこがれなんですよ。日本シニアオープン3勝ですよ。75歳、ただすごいなっていう一言です」と、チーム髙橋にとっては、リーダーは唯一無二の存在だ。

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寺西は30歳のときに仕事の付き合いでゴルフを始め、42歳で日本アマに出場。2014年「関西オープン」のローアマを獲得し、2015年でプロテストに挑戦。49歳で合格を果たし、50歳からシニアツアー出場という異色の経歴を持つプロゴルファーでもある。

ちょうど今年で”プロ入り”と”シニアツアー参戦10年目”という節目にあたる。寺西はこれからもゴルフを続けていくために必要なものを確かめているのだ。

「お金や時間があっても、健康がなかったらゴルフはできない。すべてを持っていても、健康じゃないとゴルフはできないんです。それを髙橋さんが目の前で証明してくれている。高橋さんの出場は嬉しいですし、嬉しくない奴なんかいないと思います」。それは、チーム髙橋のメンバーそれぞれがかみしめる未来の姿でもあり、目標にもなっている。

寺西は忍耐勝負が求められるナショナルオープンで、初日、二日目とアンダーパーで回れたこともプロとして譲れないところでもあった。「プロテストに合格して10年目。師匠の前で勝ちたいです」と、勝利への執念を改めて口にした。

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